くらしの豆知識
液性の話(酸性・中性・アルカリ性とは?) その2
液性はどのように決められているのか?前回の記号が大きく関わっていて、溶液の中では我々の目には見えない現象が起こっているのです。
前回までの話はこちら(液性の話(酸性・中性・アルカリ性とは?) その1)
では液性はどのように決められているのか?前回の記号が大きく関わっていて、溶液の中では我々の目には見えない現象が起こっているのです。
実際、目に見えないことなのでちょっと専門的な話になります。
溶液には電気が流れる物質があります。こういった物質を電解質というのですが乾電池を想像して下さい。プラスとマイナスがありますよね?溶液も同じで、ある物質を水に溶かした時にプラスの電気を持ったものと、マイナスの電気を持ったものに分かれます。これを電離といい、それぞれの性質の電気を持ったものをイオンと呼ばれています。このイオンによって電流が運ばれていると考えられています。イオンには次の2種類があります。
- 陽イオン・・・原子が電子を失って、+の電気を帯びたもの。
- 陰イオン・・・原子が電子を受け取って、-の電気を帯びたもの。
原子はこれ以上分けることのできない最小の粒で、+と-の電気を同じ数だけ持っているので電気的には中性です。しかしもともと持っている電子(-の電気)を失いやすいか、他の電子を受け取りやすいかによって電気を帯びるのです。どちらのイオンになるのかはそれぞれの物質によって決まっています。
ここで復習をしてみましょう。前回、酸性にはH、アルカリ性にはOHという記号が共通していました。酸性やアルカリ性を示すものは電解質(電気が流れる物質)なので、これもイオンになります。
HはイオンになるとH+と表記して名前を水素イオンといいます。+が付いているので陽イオンです。同様にOHはOH-と表記して水酸化物イオンといいます。-が付いているので陰イオンです。
溶液中に含まれる水素イオンや水酸化物イオンの濃度で、液性が決められます。水素イオンが多いと酸性としてより強くなり、水酸化物イオンが多いとアルカリ性としてより強くなります。中性については酸性・アルカリ性以外の性質という事になります。電気が流れない性質(非電解質)や水素イオンや水酸化物イオンが溶液中に同じ数だけ存在していて打消しあっているものなどが該当します。
実際に物質を水に溶かした時、どのようなことが起こっているのか?液性は酸性・中性・アルカリ性のどれなのか?次にまとめてみます。(実際は見えません。)
前回、ご紹介しました物質を水に溶かした時を例にしてみたいと思います。
・硝酸(酸性)
・水酸化ナトリウム(アルカリ性)
次に、アンモニアを水に溶かした時を例にしてみたいと思います。(実際は見えません。)
まずアンモニアの化学式ですがNH3と表記します。Hがあるので酸性と思う方もいますが、正解はアルカリ性です。水に溶かした際のイオンの変化を見てみましょう。ちなみに水の化学式はH2Oです。
アンモニアは水に溶けるとアンモニウムイオンになります。どっちのイオンになりやすいかは物質によって様々です。アンモニアは水の水素イオン(H+)と結合したため、溶液に存在しているのはOH-なので液性はアルカリ性ということになります。