
くらしの豆知識
洗濯物が臭い理由は洗濯槽かも?ー洗濯槽のケア、はじめませんかー
“なんで洗ったのに臭うの?” 衣類のにおいに悩むあなたへ、洗濯のプロが教えるニオイ対策の基本についてです!

書き手:うらちゃん(にしうら)
「ちゃんと洗ってるのに、なんだか洗濯物がくさい気がする!」
洗剤も変えてみたし、柔軟剤もお気に入りを使ってる。それでも続く“もわっ”としたあのにおいに、モヤモヤしていませんか?
実はそのにおいは、衣類の汚れだけではなく、「洗濯機の中」が原因かもしれません。
普段は見えない洗濯槽の裏側には、湿気がある環境で、洗濯物に付着していた汚れや洗濯時に溶け残った洗剤などを栄養源に知らないうちに菌やカビの温床になっていることも。
今回の記事は、木村石鹸開発スタッフの阪田さんに「洗濯物のにおいの温床」についてお話をお聞きしました!
洗濯は“きれいにするため”のものだからこそ、その土台である「洗濯機自身」を一度見直してみませんか?
洗ったはずなのに、洗濯物がにおう……その原因は?
せっかくきれいに洗濯したのに、衣類からにおいがすると嫌な気持ちになりますよね。
特に梅雨は外に干せず、においが残りやすい季節です。
まずは、洗濯物がにおう理由について阪田さんに聞いてみました!
Q:洗濯物がにおう理由はなんですか?
A:においの大きな原因は雑菌の繁殖です。また、洗濯槽の汚れも原因になることがあります。
洗濯後の衣類に残ってしまった皮脂汚れや汗、食べ物の油分などは、実は菌にとっての“栄養源”になります。
これらが十分に落としきれないままだと、雑菌が繁殖し、嫌なにおいの原因になります。
特に注意したいのが、「洗剤や柔軟剤を入れすぎること」や「すすぎが不十分なこと」です。定められている使用量より多く使うとすすぎきれず、見えない汚れが衣類や洗濯槽に残ってしまい、溶けない物質に代わり汚れとして残ったり、そもそも効果のないものになったりします。
また、衣類に残った皮脂や汗は、“生乾き臭”の原因菌・モラクセラ菌のエサになります。これがにおいの元に。
Q. 菌の発生の最適な条件は?
A. 高い湿度・30~40℃の温度・豊富な栄養分。この3つがそろうと菌は一気に増えます。
特に梅雨や夏場は、高温多湿で菌が繁殖しやすい季節です。
そこに洗濯物に残った皮脂や洗剤カスといった“栄養”が加われば、菌にとって理想の環境です。
また、洗濯槽の中は見えないだけに見落とされがちです。洗濯後すぐにフタを閉めて湿気がこもると、カビや雑菌が発生しやすくなり、においの元となってしまいます。
においの原因は“汚れが落ちていない”だけではなく、菌の温床になっている洗濯機そのものにある場合もあります!
だからこそ、洗濯槽を定期的に洗うことが、気持ちよく洗濯をするための第一歩です。
洗濯物がくさい!対策を木村石鹸の開発者に聞いてみました
洗濯物がくさい原因は、「洗えていない」からではなく、菌が繁殖する環境が整ってしまっているから。
木村石鹸の開発担当・阪田さんへのインタビューから見えてきた、根本的な対策ポイントをまとめました。
① 洗剤は入れすぎない。すすぎを増やすのが正解
洗剤や柔軟剤をたくさん入れると、汚れがよく落ちそう…と思いがちですが、実は逆効果。
すすぎが追いつかず、洗剤カスや柔軟剤の成分が衣類に残ることで、それが菌の“栄養源”になってしまいます。
② 洗濯機のフタは、洗濯後すぐに閉めない
洗濯が終わったら、まずはフタを開けてしっかり乾燥させるのが大切。
洗濯槽に湿気がこもると、カビや雑菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
特に梅雨〜夏は、温度30〜40℃・湿度が高いという、菌にとって最適な状態。
フタの開放は、もっとも手軽で効果的な対策のひとつです。
③ 洗濯槽は、定期的に専用クリーナーで洗う
洗濯槽の裏側には、皮脂汚れ・洗剤カス・柔軟剤の成分が少しずつ蓄積していきます。
目に見えないだけで、実はにおいの原因の多くがこの“見えない汚れ”。
阪田さんによると、洗濯槽の掃除を2〜3ヶ月に1回行うだけで、においの発生頻度が大きく変わるとのこと。
木村石鹸では、縦型用・ドラム式用それぞれに合わせた処方の酸素系クリーナーを開発。タイプに応じたケアができるのもポイントです。
④ 柔軟剤と洗剤は「一緒に入れない」のが理想
意外と知られていませんが、洗剤と柔軟剤を一緒に入れると成分が結合し、溶けきらない汚れになることがあるそうです。
これが洗濯槽や衣類に残って、ぬめりや黒ずみのもとになることも。
👉 洗剤・柔軟剤をそれぞれ指定の投入口やタイミングで使うことが、洗濯槽にも衣類にもやさしい方法です。
⑤ 洗濯後すぐ干す。風通しの良い場所で乾かす
菌は「湿ったまま放置される状態」が大好き。
洗濯物を洗ったあと、すぐに干さずに放置すると菌が一気に増えてにおいが強くなることも。
特にモラクセラ菌(生乾き臭の原因菌)は、こうしたタイミングで繁殖しやすくなります。
洗濯後は、できるだけ早く、風通しの良い場所で乾かしましょう。
“におわない洗濯物”を目指して。洗濯槽のケア、はじめませんか。
洗濯物の、あのちょっと気になるにおい。
実は、衣類の汚れだけでなく、洗濯槽の状態も関係していることがわかってきました。
「洗っているのに、なぜかにおう…」と感じたときは、洗濯槽を見直すサインかもしれません。
今回は、そんなときに使える、洗濯槽のお手入れアイテムをご紹介します!
木村石鹸の洗濯槽クリーナーは、ドラム式(洗濯槽の洗浄剤A)と縦型(洗濯槽の洗浄剤B)に分かれています。
縦型の洗浄剤でドラム式の洗浄剤を使ったらだめ?という質問を多くいただいていますが、洗濯機のタイプによって汚れ方や落とし方を変えているため、併用はできません。
■ 縦型とドラム式、それぞれの汚れ方の違い
洗濯槽の汚れ方は、洗濯機のタイプによっても異なります。
◎ 縦型洗濯機
水をたっぷり使って“もみ洗い”のような形で洗濯することが特徴。
そのぶん洗剤カスや皮脂汚れが槽の底やフチに溜まりやすく、汚れが「層状」に蓄積される傾向があります。
▼ 洗濯槽の洗浄剤 B(縦型専用)
特徴: 洗濯槽全体が水に浸かる縦型用に、石けん成分と酸素系漂白剤の力を組み合わせた処方。黒カビや皮脂汚れ、水垢、洗剤カスなどを浮かせて落とします。
内容量: 300g(1回分使い切り)
液性: アルカリ性
◎ ドラム式洗濯機
水を少なめに使って“たたき洗い”を行う(ざぶんざぶんと波打つ感じ)ドラム式は、パッキン部分や排水経路に汚れが溜まりやすいのが特徴。
洗濯槽自体が見えにくく、汚れやにおいに気づきにくいため、定期的なお手入れが後回しになりがちです。
▼ 洗濯槽の洗浄剤 A(ドラム式専用)
特徴: 少ない水量でも泡の力でしっかり汚れを浮かせる酸素系処方。
内容量: 130g × 2回分
液性: 弱アルカリ性
洗濯槽のクリーナーは、塩素系も多くありますが、ドラム式・縦型どちらも酸素系のクリーナーです。
塩素系の場合、カビなども白く漂白できますが、つんとしたにおいや、他のものとまぜるとガスが発生したりすることもあります。
木村石鹸では、環境負荷やお子さんがいらっしゃる家庭のことも考え、発泡で汚れを浮かせて落とす酸素系漂白剤をメインで配合し、プラスアルファで石鹸カスや洗濯槽の複合的な汚れに対応できるように処方を組んでいるそうです!
汚れ具合や、使用する際の状況によって、選ぶ際の参考にしてみてくださいね!
開発者的、おすすめちょい足しアイテム
洗濯槽の洗浄剤以外にも、「洗濯物のにおい対策」におすすめのアイテムを聞いてみました!
1:「そこかし粉」
「そこかし粉」は、その名の通り、家中の「そこかしこ」で使える多用途の酸素系漂白剤です。除菌・消臭・漂白効果を兼ね備えており、水でも溶けるため様々な汚れに対応できる便利なアイテムです。
阪田さんによると、除菌・漂白・消臭の対策であれば、洗濯槽の洗浄もできるそうですが、石鹸カスや皮脂汚れなどを落としたい場合は洗濯槽の洗浄剤を使ったほうが良いそうです!こちらも用途によって使い分けの参考にしてください。
また、衣類をつけ置きしておくと、除菌や消臭ができるため、一度くさくなってしまった衣類はそこかし粉で「リセット」してしまいましょう。
縦型の場合であれば、洗濯機の中に水をためてつけ置きして排水し、そこから洗濯するということもできますね!
2:asuno(あすの)
「asuno(アスノ)」は、「あらう・すすぐ・のこさない」をコンセプトにした香料フリーの粉末洗濯洗剤です。衣類や環境への優しさを追求しながら、高い洗浄力を実現しているのが特徴です。
粉末洗剤を使用する際、洗濯槽が汚れる原因として「粉の溶け残り」が気になるところです。しかし、「asuno(アスノ)」は「水でも溶ける」という特徴があるため、溶け残りにくいです。
また、柔軟剤不使用の中性洗剤で、普段着もおしゃれ着も使えるため、何度も分けてお洗濯する必要がなく長期的に見ると節水もできます。
阪田さんによると、「そこかし粉」との併用もできるため頑固なシミや汚れにはそこかし粉で先につけ置きしてから洗ったり、普段のお洗濯の際に、除菌や消臭効果をプラスしたいときには衣類が入っている洗濯機の中に少しそこかし粉をいれると良いそうです!(洗剤ポケットに入れてしまうと、効果を最大限発揮できない可能性があります)
石けんで作った、衣類と肌に優しいシンプルな洗濯用洗剤です。衣類を傷めずふっくらと柔らかに洗い上げ、洗剤残りが少ないので、赤ちゃんの肌着や敏感肌の方にも安心してお使いいただけます。天然オレンジ精油のほのかな香りです。タオルなどをよりふんわりさせたい場合は、SOMALIの洗濯用洗剤がおすすめです!
また、石けん洗剤を使用する際は、リンス剤を併用していただくことを推奨しております。石鹸は弱アルカリ性であるため、洗濯後の衣類がごわつくことがあります。リンス剤は弱酸性であるため、石鹸でアルカリに傾いた衣類を中和し、ふっくらとした肌触りに戻します。また、石鹸洗濯で発生しやすい衣類の黄ばみや、洗濯槽・衣類への石鹸カスの付着を防ぐ効果もあります。
洗濯機をケアすることは、自分や家族の心地よさを守ること
毎日使う洗濯機だからこそ、ちょっとした手入れの積み重ねが、気持ちのいい洗い上がりにつながります。
衣類のにおいに悩まされている方も、そうでない方も、「あれ、最近ちゃんと洗えてるかな?」と感じたタイミングが見直しどきです!
木村石鹸では、そんな“気づき”を後押しする道具を、これからもお届けしていきたいと思っています!