くらしの豆知識
掃除マイスターへの道〜家の中の汚れと対策〜
洗剤・洗浄剤はPH値によって、液性が酸性・弱酸性・中性・弱アルカリ性・アルカリ性に区分されます。液性が異なる洗剤・洗浄剤がたくさんありますが、では何故このように多くの種類が存在するのでしょうか?
洗剤・洗浄剤はPH値によって、液性が酸性・弱酸性・中性・弱アルカリ性・アルカリ性に区分されます。液性が異なる洗剤・洗浄剤がたくさんありますが、では何故このように多くの種類が存在するのでしょうか?
市販されている洗剤・洗浄剤の裏面を確認すると用途が記載されており、洗浄する対象が明確になっています。つまり、その洗剤・洗浄剤に適した汚れがあり、対象となる汚れに応じて最適な処方組みがされているのです。洗浄する上で液性も重要な要素の一つで、汚れの種類によって液性を調整しています。
"汚れの種類を覚えればOK"
それでは、汚れの種類にはどのようなものがあるのでしょうか?今回は家の中の汚れにスポットを当ててみたいと思います。
家の中の汚れは大きく分けるとアルカリ性の汚れ、酸性の汚れ、塵や埃などの物理的な汚れ、カビや細菌、微生物による汚れに分類されます。また、これらの複合的な汚れもあります。
各々の汚れの特徴と家の中に発生する代表的な場所や物、簡単な対処方法をご紹介します。
○アルカリ性の汚れ
水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が乾燥・固化した水垢汚れ、石けんカスなど水回りを中心とした汚れです。
- 浴室の鏡に付着した水垢や石けんカスによる白い汚れ
- 浴室の水栓金具に付着した白い汚れ
- シンクや水道周辺の白い汚れ
- トイレにこびり付いた尿石汚れ
(対処方法)
汚れが酷い場合には、酸性・弱酸性タイプの洗剤・洗浄剤、水軟化剤(キレート剤)配合の洗剤・洗浄剤、研磨剤配合のクレンザーが効果的です。日常的な掃除はクエン酸を溶解させてスプレーし、軽くこすり洗いするだけでも十分効果があります。
○酸性の汚れ
台所周辺の油汚れ、人体から出る皮脂汚れ、血液や垢などのタンパク質汚れなど多くの場所に発生する汚れです。
- シンク、ガスコンロ、IHガラスコンロ、魚焼きグリル、電子レンジ庫内、換気扇に付着した油汚れやぬめり
- 衣類、ソファー、布団、枕、カーペットなどに付着した皮脂汚れやタンパク質汚れ
(対処方法)
酸性の汚れには、アルカリ性・弱アルカリ性タイプの洗剤・洗浄剤が効果的です。ガスコンロや換気扇などにこびり付いた油汚れには研磨剤配合のクレンザー、オレンジオイル配合の洗剤・洗浄剤が効果的です。
日常的な掃除は重曹で軽く擦り洗いする、あるいはセスキ炭酸ソーダを溶解させてスプレーし、軽くこするだけで十分効果があります。
○物理的な汚れ
塵や埃、泥汚れなどあらゆる場所で発生する汚れです。
- テレビ、テレビ台、机、棚、カーテンレールなどの上に降り積もった塵や埃
- 網戸、窓ガラスに付着した塵や埃
- 24時間換気扇に付着した塵や埃
- 運動靴、玄関に付着した泥汚れ
- ユニフォーム、体操服などに付着した泥汚れ
(対処方法)
塵や埃などの汚れは乾いた状態で拭き上げ、仕上げに水拭きすると効果的です。体操服などに付着した泥汚れは部分洗い用洗剤、あるいは酸素系漂白剤である過炭酸ナトリウムが効果的です。
○カビや細菌、微生物による汚れ
湿気が多く、換気が悪いところに発生するカビ、カーペットなどに潜む微生物やその死骸による汚れです。
- 浴室、洗濯槽、下駄箱、エアコンなどに付着しているカビ
- 畳、布団、カーペット、ベッド、掃除機などに潜む微生物やその死骸
- 細菌が原因で起こる衣類の悪臭
(対処方法)
カビは一度生えると落とすのが大変です。繁殖してしまったカビは研磨剤配合のクレンザーでこすり落とす、あるいは漂白剤が効果的です。
日常の予防対策としては水気を拭き取る、換気を十分に行う、汚れの付着を防ぐなどカビや菌が繁殖しない環境を作ることが大切です。抗菌、抗真菌作用のあるアロマも予防対策として効果的です。
アロマで防カビ
○複合的な汚れ
上記の4種類が複数組み合わさった汚れです。汚れが栄養源になり、その上にカビが繁殖するなど、頑固な汚れになっているケースが多々あります。
- 洗濯槽内部の汚れ(洗濯物から出る皮脂汚れ・タンパク質汚れ、水垢汚れ、これらの上に繁殖したカビなどの複合的な汚れ)
- 風呂釜内部の汚れ(人体から出る皮脂汚れ・タンパク質汚れ、水垢汚れ、石けんカス汚れ、これらを栄養源にして繁殖したカビや細菌などの複合的な汚れ)
(対処方法)
これらの複合的な汚れはアルカリ剤、水軟化剤(キレート剤)が配合されている専用洗剤・洗浄剤、あるいは漂白剤が効果的です。ある程度の汚れは過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)でも驚くほどの効果が期待できます。
(弊社ブログ参照:過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)で洗濯槽を洗浄してみる)
掃除のコツは汚れの種類を知って、適切に洗浄することが大切です。また、汚れが酷くならないように日頃から掃除することが大切です。
汚れが酷くなった場合には専用洗剤・洗浄剤が必要ですが、日常的な掃除にはクエン酸、重曹、セスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウムなどのナチュラル素材を用いたクリーニングでも十分効果を発揮しますので、一度お試し下さい。また、予防対策としてのアイテムも併用するとより効果的です。
家の様々な汚れに対処可能なナチュラル原料をセットにしたエコフレンド(eco friend)のスターターキットもあります。かわいい小スプレーボトル2個ついてます。