くらしの豆知識
酵素は水槽の掃除に使えるかやってみた ~酵素についてのあれこれ その2
前回の酵素についての記事の続きとなっています。酵素について知りたい方はこちらの記事を是非ご覧ください。〜前回のあらすじ〜酵素洗剤での重要なポイントは、「物質を分解する」働きと、「環境にやさしい」ことです。酵素はものを細かくすることができ、汚れを落とすことができます。ぶっちゃけ、合成洗剤に比べて洗浄力は落ちますが...また、酵素はタンパク質でできているので環境にほぼ影響がありません。
酵素洗剤を水槽掃除に使ってみよう 〜アクアリストちんまいの挑戦〜
前回の酵素についての記事の続きとなっています。
酵素について知りたい方はこちらの記事を是非ご覧ください。
〜前回のあらすじ〜
酵素洗剤での重要なポイントは、「物質を分解する」働きと、「環境にやさしい」ことです。
酵素はものを細かくすることができ、汚れを落とすことができます。ぶっちゃけ、合成洗剤に比べて洗浄力は落ちますが...
また、酵素はタンパク質でできているので環境にほぼ影響がありません。
なので、環境への配慮を重要視しているヨーロッパでは酵素系洗剤は主流になってきているんだとか。
このことを知ったちんまいはある実験を思いつく。
〜〜
実験というのはずばり、
酵素は水槽のお掃除につかえるのか?
ということを検証してみる実験です。
濱岸さんから話を聞いたときに、
「酵素って水槽掃除につかえるんじゃね?」
と思いました。
ちんまいは家でアクアリウムをやっていまして、水槽の汚れやえさの食べ残しについて掃除をどうしたらいいか考えていた頃があったのです。
植物を主体にして自然の景観を創り上げるネイチャーアクアリウムをやっています。
界面活性剤では、魚は死んでしまいますが、タンパク質の一種であり、あらゆるものに含まれている酵素なら生体に害を与えずに水槽の汚れを掃除できるかも...!
調べてみると、水槽用の酵素浄化剤が販売されていましたが、あまり一般的ではないようです。
ということで、早速製品企画部の濱岸さんに聞いてみました。
ちんまいクン
「かくかくしかじかで酵素で水槽をお掃除したいんですが、いけそうですか?」
濱岸さん
「原理的にはいけるかもしれないけれど、魚とか水草への影響がどうなるかわからないねー」
ちんまいクン
「わかりました、一回実験してみたいので、酵素とかあったらほしいんですけど...」
濱岸さん
「この間サンプルとしてもらった酵素があるから、それが余ってるからあげるよ」
ちんまいクン
「おお!ありがとうございます」
なんと、酵素の原液をいただくことができました!
いかにも試験薬って感じの液体です。ビタミン剤に味噌汁を足したようなにおいがしました。
これを使って早速実験してみました。
やり方としては、
- いくつかの種類の魚のえさを用意する
- 酵素を入れた水とただの水の二種類ずつを用意して、魚のえさをいれる
- 時間経過でどれくらいえさが分解されるかを観察して比較する
という比較的シンプルなものです。
酵素は数滴だけいれて実験したのですが、30分ほどですでに効果が!
右の何もいれていていない金魚のえさは浮いたままですが、酵素に漬けている方は沈殿して粉々に。
また二時間ほどすると、他のえさもどんどんばらばらに。
こちらはよくあるフレークタイプの熱帯魚の餌。酵素入りは沈殿して細かくなっています。
これはプレコという植物を食べる熱帯魚用の餌です。大きいのでなかなか分解されにくいようです。
餌によっても大分効果にばらつきがあり、最も酵素の効果が顕著だったのは金魚の餌でした。
酵素パワー、恐るべし。
そのまま3日間放置したらこんな感じになりました。
金魚のえさ
熱帯魚のえさ
というわけで実験自体は成功でした!
ただ、ここで衝撃の事実が判明しました。
それは、
えさ自体はバラバラになるけど、根本的な掃除にはならない
ということです...(。゜ω゜) 。.
酵素は物質を細かくします。ただ、細かくしたところでその物質自体が水槽からなくなるわけではないのです。
そんな単純なことに実験が終わってから気づいたちんまい。
仕方がないので、色々と調べて酵素を使うメリットをややこじつけ感もありますが考えてみました。
えさの食べ残しが細かくなることによって、フィルターの目詰まりが軽減される
えさの食べ残しが目詰まりをおこしてフィルターの交換が頻繁になっている人にはかなり効果的かもしれません。
細かく分解された餌はその後の分解プロセスを早くするかも?
これは仮説ですが、餌が細かくなることによって、バクテリアが餌を分解するスピードがはやくなるかもしれません。
そうすると、餌の食べ残しなんかでよくでてくる水カビなんかは繁殖しにくくなるでしょう。
有機栄養バクテリアの繁殖を防ぐ
ちょっとマニアックな話になりますが、餌をあげすぎると餌を分解する有機栄養バクテリアというやつが爆発的に増えます。
よく水槽の立ち上げ時に水が白く濁ったことはないでしょうか?
あれは有機栄養バクテリアが目に見えるくらいに爆殖した結果、水が白く濁って見えるためです。
殖えるだけならいいのですが、バクテリアは活動に酸素を消耗します。
水中が濁り始めると、こいつらの活動だけで水中の酸素がなくなります。
そうすると魚が酸欠になるのはもちろん、他の好気性バクテリアも活動できなくなり、結果としてアンモニアなどが分解されず、水槽内の水が毒水になります。
酵素をあらかじめ入れて餌を分解させてやることで、有機栄養バクテリアの繁殖を防ぎ、溶存酸素量をキープすることができるのです。
その効果はこの写真からもわかります。
左が酵素あり、右が酵素なしで三日間放置したものです。
酵素なしの方は餌が残っているため有機栄養バクテリアが大量繁殖して白くなっていますが、酵素を入れた方は餌は分解されているのでバクテリアも増えず、結果として白濁していないのです。
以上の点から、酵素は水槽の立ち上げや初期段階に有効なのではないかと思いました。
ただ、今回は生体への影響は実験していません。これも肝心なところ...
アカヒレさんを買って試そうと思いましたが、死んだらかわいそうなのでやめておきました。
酵素の水槽用浄化剤などがあるので微量では害はないとおもいますが、濃度をあげるとタンパク質を分解する酵素が魚の身体も溶かしちゃうかもしれません(( ;゜Д゜))
なので、もし生体で実験される方がいらっしゃいましたら自己責任でお願いします。
ではではー