くらしの豆知識
知ってるようで知らない漂白剤の話〜酸素系・塩素系・還元型の漂白効果を実際に比較してみる
前回はいろいろな種類の漂白剤をご紹介しましたが、実際どのように違うのでしょうか?酸化型(酸素系・塩素系)と還元型の漂白効果を実験してみた、ということでそれぞれの漂白効果を実際に比較してみたいと思います。
※前編【知ってるようで知らない漂白剤の話〜塩素系、酸素系何が違う?】はコチラ
前回は、いろいろな種類の漂白剤をご紹介させて頂きました。
一般的にお店などで良く目にするのは、酸化型の「塩素系」と「酸素系」ですね!
しかしながら、聞いたことあるような名前くらいでそれぞれの実際の効果については分かりませんよね?
酸化型(酸素系・塩素系)と還元型の漂白効果を実験してみた
ということでそれぞれの漂白させる効果を実際に比較してみたいと思います。
早速ですがまず初めに同じ大きさにカットしたデニムを用意します。
ちなみにデニムとは厚手の綿の綾織物ことで、生地のことをいいます。一般的には藍色やインディゴの染料で染められた糸を使用したブルーデニムがよく知られています。この生地を使用して加工したものがジーンズです。
それではそれぞれの水溶液の中にデニム生地を入れて様子を観察してみます。
(※観察した水溶液の条件ですがそれぞれの濃度が5%になるように40℃の湯水を使って調整しました。過炭酸ナトリウムについてはあくまでも理論値ですが、過酸化水素の割合が5%相当の濃度になるよう換算しています。そのために完全に溶解されずにつけ置きのような状態で観察を開始しました。)
30分後の状態ですが次亜塩素酸ナトリウム溶液がより黄色くなってきました。生地も少し薄くなってきた感じがします。
1時間経過すると次亜塩素酸ナトリウム溶液中の生地ははっきりと薄くなっているのがわかります。
3時間経過した時点でかなりの差が出ました。より過酷な条件で観察をするためこのままもっと放置してみましょう。
24時間放置してみました。次亜塩素酸ナトリウム溶液中の生地は白色に近づいてきました。ハイドロサルファイト溶液の方ですが生地周辺が黄色くなってきて生地自体も少し青くなってきています。過炭酸ナトリウムの溶液は完全に溶解してやっと透明になっていました。
最後に生地をそれぞれの溶液から取り出し、すすいで乾燥させます。観察の結果はこのようになりました。
左から順に生地見本、湯水、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素、ハイドロサルファイトの各水溶液に24時間入れた後の生地です。
過炭酸ナトリウムと過酸化水素溶液に入れた生地は目視では変化みられませんでした。ハイドロサルファイト溶液も少し青く変色していることが確認されました。そして次亜塩素酸ナトリウム溶液に入れた場合に限ってはほぼ白です。
衣類がこうなってしまったら・・・もう私には着こなす自信がありません。
もちろん、素材や濃度の濃さによっても結果が異なることもあると思いますのであくまでも参考にして頂きたいですが、色柄物には特徴でもあるように過炭酸ナトリウムや過酸化水素といった酸素系漂白剤を使うのが適しています。また、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)やハイドロサルファイト(還元型漂白剤)は白物として使うのが適しています。それぞれ用途や汚れによって使い分けて頂くと洗濯の際の失敗もなくなるのではないでしょうか?