木村石鹸日記
木村石鹸の自己紹介
木村石鹸といいます。大正13年(1924年)創業の石鹸・洗剤メーカーです。少しあつくるしいですが、木村石鹸という会社のことを少し説明してみます。
会社の基本的な情報
会社名
木村石鹸工業株式会社
代表取締役社長
木村祥一郎
木村祥一郎 / 木村石鹸 (@yudemen) | Twitter
木村祥一郎 / 木村石鹸|note
本社所在地
〒581-0066 大阪府八尾市北亀井町2-1-30
TEL:072-994-7333 FAX:072-993-7188
IGA STUDIO PROJECT(三重伊賀工場)
〒518-1155 三重県伊賀市治田山梨3209-12
TEL:0595-20-9222 FAX:0595-20-1071
東京オフィス
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-4-4 武蔵ビル5F HAPON新宿
TEL:03-4500-1738
創業 1924年(大正13年)4月1日
資本金 2,900万円
社訓
家族を愛し仲間を愛し豊かな心を創ろう
質素で謙虚 報恩の心で品性を創ろう
チームワークを大切に笑顔で明るい職場を創ろう
無駄をなくしアイディアを生かし真心を込めて製品を創ろう
何事も忠実に惜しまぬ努力で実績を創ろう
経営理念
私たちは 仕事を通して自己の品性向上に日々精進します
私たちは お客様仕入先様と共に永続繁栄する努力をします
私たちは 健康で幸せな家庭づくりのために一致協力します
私たちは 堅実経営を基に社会に貢献することを誓います
家庭・生活を優先する
社訓や経営理念に「家族」「家庭」という言葉が現れるように、木村石鹸では社員一人一人の家庭や生活をかなり重要視してます。
一般的にはどちらかといえば、仕事で稼ぎ、その稼ぎで家庭や生活が成り立つ、支えられる、そんな風に考えるケースが多いのではないかと思いますが、木村石鹸では、生活や家庭の充実の上に良い仕事ができる、と考えます。また、会社は仕事を通じて、個々人が幸せになることをサポートする存在でなければならない、という信念を持っています。
なので、木村石鹸では、「仕事」と「家庭」「生活」「家族」などが天秤にかけられた場合、必ず、「家庭」「生活」「家族」を選びます。社員もそれを当たり前だと、それによって支障がでる仕事は、周りがカバーするのだ、という意識をもってくれています。「家庭」が優先されることに、誰も疑問を持ちませんし、むしろ「家庭」を犠牲するほうが非難されます。
もちろん、会社なので良いことばかりではなく、色々な問題もあります。普通の会社ならこうだ、ああだと言いだせばキリのないぐらい足りないものだらけです。ただ、家族や生活に負担をかけないこと、家族や生活を犠牲にした仕事にしないこと、この部分については、かなり真剣に取り組み、比較的良い文化として根付いてるところはあるのではないかと思ってます。
感謝できる人を育てる
社員を幸せにする、というところでは、毎年4月は「親孝行強化月間」という妙な制度を実施しています。それは社員の親孝行を促すために、この月に社員には親孝行のために全員一律で1万円を配布するという制度です。この制度もすでに開始して20年以上続いた、木村石鹸の文化です。
人が幸せに生きるための最初のステップを、木村石鹸では「感謝すること」「感謝できる能力=感謝スキル」を身に着けることだと考えてます。実は「感謝する」というのはスキルであり、これは学ぶことで誰もが自然と出来るようになることだと考えているのです。
そして、「感謝する」とは、まず、今、自分が生きてる、生活しているという当たり前のことの「当たり前じゃなさ」を、きちんと理解することから始まるのではないかと考えます。自分が今、ここにいるのは必ず両親がいます。その両親に両親がいます。そういった先人たちの様々な想いや努力や苦労があって、今、自分がここにいられるわけです。それは、普段は当たり前すぎて、なんとも思わないことかもしれませんが、まずは、そこに目を向けてみよう、その当たり前に感謝してみよう、それが「親孝行強化月間」の意図です。1年に1度ぐらいは、そういう「当たり前」を意識してみる。それによって「感謝スキル」が培われていくのではないかと考えます。
「感謝スキル」を持つことが、人生を幸せにする絶対条件だとは思いません。しかし、何事にも感謝できる人は、やはり、自身の人生をより豊かに、実りのあるものとして捉えていけるのではないかと考えます。
なんか宗教臭い話ですが、でも、どうでしょう。何事も足りない足りない、とマイナス面だけを捉えて、不平不満を漏らす人よりも、当たり前のことにも感謝できて、心を豊かに日々を送る人と、どちらの人に幸運はやってくるでしょうか。あるいは、どちらの人と仕事をしたいでしょうか。ほとんど皆、後者だと思うのです。
感謝できる人は、本人にとっても楽しいし、一緒に働く人たちにとっても楽しいし、そういう人たちが沢山いる組織のほうが楽しい。であれば、楽しい方を選びたいんですね。
自律型組織を目指して
木村石鹸では、何事も、できるかぎり現場に近いレベルで意思決定することを推奨しています。そして、自分で決めたことには「責任」を持つといことを言い続けてます。
一般的に、この「責任」という言葉は、組織でネガティブに使われるケースが多いのではないかと思ってます。「責任」を何か問題が起きた、取り組みが失敗に終わった、そんな時に、何かしらのペナルティを引き受けること、というように解釈されてるケースが多いように思うのです。
木村石鹸での「責任」という言葉は違います。木村石鹸では、「責任」を「(自分で考え、決定したことを)最後まで自分事として成し遂げる覚悟・意志」と定義しています。つまり、問題が起きたり、失敗すること自体は、変な言い方ですが「何も問題ではない」のです。問題が起きても、自分が決定したことに最後まで自分事として向き合えたなら、それは責任を果たした、ということになります。周りの人も、そういう人を見て、彼(彼女)は、最後までそこに向き合った、逃げなかった、ということで信頼してくれるでしょう。
一番駄目なのは、問題が起きたり、トラブルが発生したときに、「いや、俺(私)、こんなこと本当はしたくなかったんだ」とか、誰かのせいでこんなことになってしまったとか、他人や周囲の問題に転嫁してしまう人や、途中で投げ出して逃げ出してしまう人です。
なので、木村石鹸では自分が最後まで自分事としてそこに向き合える覚悟があるなら、どんどん自分で意思決定をしよう、と促してます。
基本的には、自身がやりたいこと、自身が一番能力が発揮できることを自分で考えて働いてもらうようにしてます。明確なジョブディスクリプションのようなものものなく、一人一人が、今のメンバーや状況にあわせて、どうすれば貢献できるかを自分でデザインしていくことを求めます。
どんな仕事も、自分で決めたこと、自分の選択である、という意思や覚悟を持つことからしか、本当の充実感も得にくいのではないかと思うのです。たとえ期日までにやらなければならない仕事を指示されたとしてもです。その仕事を引き受けたのであれば、それは自身の責任として捉えて、仕事に臨むべきです。
こういった考え方を下敷きに、評価制度も、「自己申告型給与制度」という、自身で会社への貢献内容を決め、その貢献内容に見合う報酬を提案する、というよくある評価制度とはまったく違う制度を導入してます。