SOMALI
なぜ、洗濯では水がしっかり必要なのか。
あわあわ便り 2023年10月号
最近だと「すすぎ0回」なんて洗剤も出てきてますが、僕らとしては洗濯ではすすぎはしっかりやったほうが良いと考えています。騙されたと思って一度、注水すすぎ3回とかで洗濯してみて欲しいのです。
すすぎ回数を減らせば、当然、時短にもなるし節水になるし、家計にも環境にも優しいじゃないかというのは確かにその通りかもしれません。でも一方で、すすぎ回数が少なくなると、「ちゃんとした洗濯」からは遠ざかっていくのではないかと思うんです。
「ちゃんとした洗濯」とは何かというと、衣類の汚れをきちんと落して、着る前の状態、次に着る時に清潔でクリーンな状態に仕上げる、ということだと、ここでは一旦定義しておきます。
洗濯機で衣類の汚れを取る原理は、基本は次のようなものです。
①洗剤(界面活性剤)が、衣類についている「汚れ(主に油汚れや皮脂汚れ)」に付く。
界面活性剤は一般的にマッチ棒みたいな形をイメージして頂くと分かりやすいかもしれません。マッチ棒の先端部分が「水が好き」で、反対側は「油が好き」。こんな構造になってます。
界面活性剤の「油が好き」の方が、汚れ(主に油)にくっ付いていくわけです。
②汚れには「油が好き」な方がくっ付くんで、外側には「水が好き」のマッチの先端側が並ぶことになりますね。これが洗濯機の水の方に引っ張られるんですね。それで汚れが取れます。
③汚れが取れたら、その汚れを界面活性剤が包み込みます。そうすると、汚れの外側はすべて「水が好き」側に取り囲まれてしまう状態になるので、衣類に汚れが戻らなくなります。これを再付着防止なんていいます。
一般的に界面活性剤には汚れを水の中に分散させておく分散効果があります。その結果洗濯物に落とした汚れが再付着しないようになります。
これは洗剤の働きですが、これ以外でも当然、洗濯機の力も加わります。衣類同士がこすれたりすることでも物理的な力が加わり、汚れを落としますし、ドラム式なんかだと上から下に衣類が落下しますが、その時の力でも汚れを落としたりしてます。
これが洗濯での汚れを落とす基本的な働きだとすると、どうでしょうか。
実は「水」がすごく大事だということが分かると思います。汚れに付着するにも、汚れを引き剥がすにも、引き剥がしたものを衣類に再付着しないよう留めておくにも、すべて「水」が媒介しています。洗剤だけの働きではないんですね。
そもそも汚れに界面活性剤が付着するためには、繊維が水に浸ってる、濡れてる状態になっていないといけません。たまに洗濯ネットに入れて洗濯していると洗濯ものがきちんと水に浸かっていなくて、脱水後に衣類を取りだしたら、全然濡れてない箇所があった、なんてことはないですかね? こういう場合汚れは取りきれていないと考えたほうが良いです。
だから縦型なら水量は洗濯物量に較べて多めにして、水の中で衣類が泳ぐぐらいの状態がベストなんですね。沢山詰め込みすぎると、そもそも衣類が水にしっかり浸からない状態になっちゃいます。機械力を考慮しないで考えるとドラム式の場合、水量が少ないので洗浄力という意味では縦型に較べると劣ってしまいます。ドラム式でも詰め込みすぎると衣類が水に浸らないので注意が必要です。
洗濯ではまずきちんと洗剤が一定量入っている水に洗濯物が浸かっている状態、水に濡れている状態が必要です。そうしないと汚れに洗剤(界面活性剤)が作用できないんですね。
さらに言うと、汚れを水側に引っ張ってくるにも、水が必要です。これが一般的には「すすぎ」の水です。と考えると、水の量は増えますが「ためすすぎ」よりは「注水すすぎ」の方が、汚れはよく落ちますし、すすぎの回数が多い方が汚れもしっかり落ちます。
ドラム式なんかの場合でも、「注水すすぎ3回」とかを試して頂けると、今までとは洗い上がりの感じも全然変わるんじゃないかと思います。
ちなみに、あまりにも蓄積してしまった汚れは別ですが、シャツなんかの襟袖の黄ばみとか黒ずみ汚れもありますよね。洗濯機で洗うだけではなかなか取れなくて、部分洗いしたり予備洗いしたり、酸素系漂白剤で浸け置きしたりしてないでしょうか。
その手の汚れもね、一度ね、洗濯機には洗濯ネットに入れずにそのまま放り込み、洗剤をちゃんと規定量入れて、すすぎは注水3回で、洗濯してみて欲しいのです。
僕自身、それまでその手の汚れは予備洗いするものだとばっかり思ってたのですが、「ちゃんと」やると、洗濯機で洗うだけで汚れは落ちるんです。これには結構びっくりしました。
洗濯ネットを使うのも、衣類が傷まないようにというつもりだったんですが、洗濯ネットに入れてると当然、洗浄力はそれだけ落ちてしまいます。時短や節水を意識してすすぎ回数を減らせば、それでも洗浄力は落ちます。そうやって実は洗濯機だけで十分汚れも落ちるのに、汚れが落ちにくくすることばかりやってたんです。
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