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固形石鹸復活~一度止めてしまったものを、復活させるのはそう簡単なことではない~
「木村石鹸に興味を持ってもらえてる方に、ただただ、買って買ってと、キャンペーン告知をやるというのは、僕もお客さんだったらいやだろう」という社長の思いから始まった、毎月15日に配信するお便り。 木村石鹸について・商品についてをいちはやく知りたいという方はメルマガ配信も行っています。 8月のあわあわ便りは「固形石鹸」についてです!
2024年4月1日、木村石鹸は創業100年を迎えました。
この100周年のタイミングで、「固形石鹸」を復活させます。
創業当時は固形石鹸の製造もしていました。戦後、二代目が木村石鹸を再開させた時も、しばらくは製造していたようです。しかし、大手が大きな設備投資をして、どんどん生産量を拡大していく中、固形石鹸は安価に手に入りやすいものになっていきました。
戦後ドラム缶ひとつを釜代わりにして石鹸作りを再開した木村石鹸は、お金もなく、設備投資も満足にできませんでした。その為、製造品目を絞らざるを得ず、大量生産に大規模な設備が必要な固形石鹸の製造からは撤退しました。
固形石鹸を復活させた背景
木村石鹸に戻った時、僕が最初に感じた違和感は、石鹸屋なのに固形石鹸を製造していないということでした。社名を聞くと、殆どの人は「石鹸=固形石鹸」をイメージします。
「いや、実はもう固形石鹸は作ってないんです」と言うと、不可解な顔をされて、「石鹸屋さんなのに? じゃあなにを作っているんですか?」と聞かれます。
「石鹸は原料の名称で、、石鹸には液体も粉末もあって...」と説明しても、大半の人は意味がよく分かりません。そもそも石鹸にそんなに興味もないので、「良く分からないけど、ふーん」で終わります。
屋号に「石鹸」という言葉が入っている以上、「石鹸」の可能性を深堀りしたり、広げたりしていくことは必要だと思っています。石鹸屋である以上、石鹸については誰よりも詳しく、また、誰よりも石鹸を「ちゃんと」使いたいのです。
そんな中、「石鹸」のフォーマットとして、もっとも多くの人に馴染みある「固形」をやっていないのは、やっぱり石鹸屋としては足りてないな、という想いが大きくなってきて、よし「固形石鹸を復活させよう」と、決断しました。
失敗の連続
実は、固形石鹸の製造はそこまで大変ではないだろうと思っていたのです。
製造場所さえなんとかなれば、ほとんどは手作業ですが、それでもなんとかなると思っていました。個人で趣味で固形石鹸を作られている方は沢山いらっしゃいます。数人の工房とかで、手作り固形石鹸の製造販売しているところも全国いくつもあります。
僕らは固形はやっていなかったものの、釜焚き製法での石鹸づくりをずっと続けてます。液体の石鹸も粉末の石鹸も作ってます。石鹸についての知見もちゃんとある。いわばプロです。固形石鹸も本気でやろうと思えば、すぐに出来るはず。少し甘く見ていたのです。
しかし、やってみると失敗の連続です。まさかこんなに時間と労力がかかるとは思いませんでした。何もかもゼロからだったので、製造に必要な器具もゼロからオリジナルで開発し、処方(油脂の選定や配合比率)も何度も製造してはテストを繰り返して形にしていきました。気づいたら固形石鹸を復活させようと決断してから、7年の歳月が経っていました。
こんなに大変だと分かっていたら、あるいは100周年の節目がなければ、固形石鹸を復活させようなんて考えなかったかもしれません。
一度止めてしまったものを、復活させるのはそう簡単なことではない
今回のゼロからの固形石鹸作りを通じて、気づいたのは「一度止めてしまったものを、復活させるのはそう簡単なことではない」という当たり前の事実でした。
僕らは今、釜焚き製法での液体石鹸製造や、粉末石鹸製造も行っています。これは創業当時から続けていることです。正直、自前で液体石鹸や粉末石鹸を製造するのは、割にあっていません。海外からまとめて調達したほうが安上りだし、製造人員や製造場所もいらないし、圧倒的に効率は良い。ビジネス側面だけを考えると、止めてしまって外部調達に切り替えたほうが良い、ということになります。
でも、一方で止めてしまったら、もう二度と復活させることは不可能になるんだろうなと思います。今回、固形石鹸の復活のプロジェクトを通じて、それは痛烈に体感しました。
続けることに価値があるのか、意味があるのか、それはよく分かりません。でも、兎にも角にも長く続いてきたことは、出来る限り続けていくべきだと、今はそう考えています。
固形石鹸については、やっと第一歩を踏み出せたばかりです。
100年という節目にせっかく再開することができた事業です。止めるのは簡単ですが、それこそ今回こそ止めてしまったら、もう二度と木村石鹸で固形石鹸は作れなくなるんじゃないかと思います。始めた以上、ちゃんと続けていきたい。出来ることなら次の150周年、200周年を迎える時にも、続けられていたらなぁと思います。
▼クラウドファンディングの概要
プロジェクト名:本当にやさしい洗いごこちを。100周年の老舗が作る肌のことを本気で考えた固形石鹸
リターン品:早期ご支援での早割りや、イベントへのご参加など、多数ご用意しております!
実施期間:2024年7月24日(水)~10月4日(金)
詳細はこちらから:https://www.makuake.com/project/kimurasoap/
▼木村石鹸の木村石鹸 固形石鹸概要
固形石鹸「木村石鹸の木村石鹸」クラウドファンディング(Makuake)にて先行発売実施中です!
木村石鹸の木村石鹸 65g
余計なものを使わず、究極的にシンプルな「正直な処方」で一つひとつ丁寧に手作りし、肌がつっぱることなく本当にやさしい洗いごこちの石鹸ができました。
量産の難しい商品ですので、ぜひこのタイミングでお手に取っていただけるととってもうれしいです!
・・・・・・・記念イベントのお知らせ・・・・・・・
全国の作り手30社が集結 木村石鹸100周年記念イベントが三重県伊賀市で9月28日(土)29日(日)開催!
2024年9月28日(土)~29日(日)に三重県伊賀市の工場IGA STUDIO PEOJECTにて、木村石鹸にゆかりのある全国の作り手30社以上が集まり『木村石鹸百年祭~100周年だョ!全員集合~』を開催いたします。
本イベントでは、木村石鹸のセール価格での販売だけでなく、アパレル・フード・雑貨などの物販・ワークショップ・トークイベント・工場見学・音楽イベントなど、様々なコンテンツが楽しめます。
店舗を持たない木村石鹸が、みなさまへの日頃の感謝を込めて開催する手作りのイベントです。大人から子どももまで楽しめる内容となるよう心を込めて準備中です!夏の終わり、みなさまお誘い合わせの上ご来場くださいませ。一同お待ちしております。
実施日時:
2024年9月28日(土)10:00-17:00物販、18:30-21:00音楽イベント
2024年9月29日(日)10:00-16:00物販