12/JU-NI
12/JU-NIシャンプーの色や化粧品のお値段のお話し
あわあわ便り 2023年11月号
こんにちは、12/JU-NIシャンプー・コンディショナーの開発者の多胡です。
いつもは、社長がメルマガを配信されていますが、今回は番外編として私が12シャンプーについての記事を任せていただきました。
みなさん、12シャンプーコンディショナーは他の製品と比べてなんだか黄色~褐色っぽいなと思われたことはありませんか?実はこれ、12の特徴成分であるペプチドとその誘導体が原因で色が濃くなっているんです。
今回はType-A(しっとり)の12シャンプーを例にそのことを説明したいと思います。
Type-A(しっとり)12シャンプーには、傷んだ髪を補修する、ヒートアクティブタイプのコラーゲンペプチド誘導体(表示名称:加水分解コラーゲンPGプロピルメチルシランジオール)が配合されていて、このシャンプーの特徴成分となっています。
この原料、私の大好きなヘアケア原料で、コラーゲン由来のしっとり感があり、傷んでパサついた髪に潤いを与えてくれたり、ヒートアクティブ作用と言ってドライヤーなどで熱を加えると髪にくっついて持続的な補修をしてくれたり、しっかりと乾かすと寝癖を防いでくれる、などなどいろんなメリットがあります。でも結構色が濃くてシャンプーに色がついちゃうんですよね。
■12シャンプーの色についての実験開始!
今回は、12シャンプー(Type-A)をビーカーで作ってみて、最後にコラーゲンペプチド誘導体を添加して、どれだけ色が変わるかを見てみたいと思います。なお、試作量は製品と同じ500mLです。
では早速、実験の様子を見てもらいましょう。今回はシャンプーづくりの練習と説明もかねて開発部の新人さんに実験していただきました。
まずはこんな感じにビーカーでシャンプーを作っていきます。今日は実際の製造とは違って手混ぜで作っていきます。少量であれば攪拌棒による手混ぜで作れたりもします。(混ぜ方に気を遣うのと、手がつかれて大変ではありますが)
さて、こんな感じでコラーゲンペプチド無しのシャンプーベースができました。
すでに黄色っぽいですが、これは、ハチミツやサガラメエキス、アミノ酸系界面活性剤などなど、その他の原料由来の色だったりします。糖やイオンを含むもの、天然由来の原料は結構色がつくものが多いです。
そしてこちらがコラーゲンペプチド誘導体です。
ウイスキー〜薄口醤油ぐらいの色合いですね。1本のシャンプーにこれだけ入ってます。
それでは投入します。
混ぜていきます。
混ぜ終わりはこんな感じです
薄黄色からしっかりしたゴールドカラーに、いつもの12シャンプーの色合いになりました。
コラーゲンペプチド誘導体、有り無しのサンプルを容器に入れて比較してみましょう。
左側がコラーゲンペプチド誘導体無しのシャンプーベース、右側がコラーゲンペプチド誘導体有りの完成品シャンプーです。
どうでしょう?容器に入れて比べると結構違います。かなり色が濃くなりましたね。
製品が黄色っぽいのは実はコラーゲンペプチド誘導体の色が強く出ているからでした。12シャンプーには、こんな感じで色が濃くなっちゃうぐらいたっぷりめにコラーゲンペプチド誘導体が配合されています。
■ヘアケア商品の価格のお話
このコラーゲンペプチド誘導体、素晴らしい原料なのですが、一方で、扱いにくい原料でもあります。今回見たように色が濃いこと以外に、コラーゲン由来なので腐りやすく防腐が難しい、ペプチド全般に言えることですが特有の(ちょっと個性的な)匂いがある、価格がヘアケア原料の中ではお高い、などなどちょっと癖のある原料なんです。
この、原料価格が高めというのは、ヘアケア商品では大きなネックとなったりします。
一般論ですが、ヘアケア商品、特に低〜中価格帯の商品は原料原価をかなり安めに抑えないといけない傾向があります。ヘアケア商品は500mLなど大容量のものが多く、原料原価が商品原価に影響しやすい商品群だからです。
また一方でシャンプーコンディショナーは洗い流す商品のため、配合した成分の大部分が流れ落ちてしまう傾向があります。そのため、コラーゲンペプチドなど機能性原料を配合する場合、ちゃんと作用を発揮させるには、洗い流し後も髪に必要量が残るように、今回の実験のように色がついちゃうぐらいかなり大量に配合する必要があります。このあたりが結構なジレンマです。
このあたりの理由から、今回のペプチド類は低価格帯のヘアケア商品にはあまり配合されない、もしくは、配合されても微量添加の場合が多いという傾向の原料ではあります。どちらかというとサロン向けの高級シャンプーとかに配合されている傾向が高い原料です。
■12シャンプーのお値段について
12では、どうせ入れるならがっつり!!をモットーにサロン向けの中でも高級なシャンプーに配合されるぐらい大量にこの原料を配合しちゃいました。
12は開発時、いろいろ目標を立てて開発してたのですが、「引っ掛かりがない洗い心地」「うっとりするさわり心地」「ハイブリーチのダメージ毛もしっとり仕上げる」「かなり傷んだ髪もしっかり補修する」などに交じって「サロン製品のクオリティーをなるべく手が届きやすい良心的な価格で」も視野に入れて開発しました。
結局は、たっぷり配合したコラーゲンペプチド誘導体や、お高いけど質のいいアミノ酸系界面活性剤をメイン活性剤として配合したりすることで原価を圧迫しちゃいました。(実は原料原価の結構な割合がこのコラーゲンペプチド誘導体とアミノ酸系界面活性剤のものだったりします。)
ただ、なるべく処方の無駄を削いだシンプルな処方にする、話題性だけを目的とした変に高い原料などを配合しない、などなどで高いのは高いけど、なんとか許せる範囲に抑えられたかなと思っています。
そして原料原価は正直お高くなっちゃったのですが、最終的な価格は会社の皆さんのお力で抑えることができました。この辺りは、製造部の皆さんによる無駄のない丁寧な製造や、営業的な努力、あと自社製造とネット販売ならではの価格抑制などのおかげです。
確かに市販の低価格帯シャンプーと比べるとお高くて申し訳ないのですが、実は良質な原料をがっつりと使っていますので、成分の豪華さを考えれば売価は実はお得感のあるものになっているのではないかと思っております。
今後、12シャンプーを使われる際は、「この黄色はコラーゲンペプチド誘導体」の色なんだなー」とか「この色、結構お高い成分の色なんだなー」とかちょっと思いを巡らせていただければ嬉しいです!
来月の配信では、12コンディショナーの色や原料についてのお話をさせていただきます。
■12/JU-NIについて
12/JU-NI(ジューニ)は約5年の歳月をかけて開発に成功した、傷んだ髪/くせ毛/切れ毛/枝毛/髪がまとまらない/朝のひどい寝癖/などの悩み解決の手助けとなるクラフトシャンプー&コンディショナーです。
公式ページ:https://12-juni.jp/
商品ページ:https://store.kimurasoap.co.jp/item/12/JU-NI-set500ml-nobox