『やお帖』に学ぶ、伝統とチャレンジ魂のお話。
こんにちは、新米チャンです。
木村石鹸は大阪の八尾市にあります。
大阪の方でないと、あまり馴染みのない地域かもしれません。
工場が沢山あり、確かにファンシーな印象はありません。
この地で育った副社長も、昔は、一刻も早く八尾を出たかったのだとか。
木村石鹸のブランディングだけではなく、八尾の地域を盛り上げていくことはできないのか…そう自問する新米です。
ところが先日別件で打ち合わせをしていたデザイナーさんが、こんな素敵な本をくれました。
かわいい。
大阪といえば東大阪市の工場地帯が有名ですが、八尾も負けず劣らずの工場地帯。
見覚えのあるあのブランドも八尾うまれだったりします。
こどもの頃つかっていた『フエキ糊』!幼稚園のシェアは全国7割、関西9割の脅威の数字です。
ファンの方がきっかけでね。その方がファンサイトを作ってくださったんですよ。(中略)このサイトにあるものは全てCGで、ファンの方が想像でいろいろと作ってくださったものなんです。
えーそんな熱烈なファンが…と思ってサイトを拝見したら、想像以上のクオリティーでした。
Fueki Fan|Fueki Phone|フエキフォンスペシャルサイト
この中で実際に商品化されたものもあります、文房具とか。
シャーペンは、ほぼCGに近い形で商品化されたし。
なんと、既に商品化まで!
やはりモノづくりするからには、
糊なんてどこの会社でも一緒と思われるよりも「フエキの糊がほしい!」と思って買ってもらいたいですよね。
このやお帖の中で企画開発部の渡辺さんのお話しがとても印象的でした。
その頃僕も企画部にいたんで、販促の一環で、こういうキャラ作ってみたら?って提案はしたんですけど、結局全部ボツになりました。一番初めに企画出したのは1990年ぐらい。(中略)2000年ぐらいに2回目の企画を出したんですけど、やっぱりボツになって。(中略)ボツになった理由は簡単で、ウチはファンシー的なものは売れない、売りたくないって経営者の判断があったみたいです。やっぱりどこかお堅い会社だったんですね。130年近く続いている古い会社なんで伝統を重んじるみたいな。
フエキさん、なんと創業130年…木村石鹸より40年近くも古い会社です。
新しいことをやるとなると反対はつきもの。このフエキ君誕生までに20年ちかくかかっています。
しかし伝統を軽視するのと、新しいことにチャレンジするのは全く別次元の話です。
伝統を大切にしながらも、どんどん新しいことにチャレンジしたい木村石鹸としては、とても勇気づけられるお話しです。
関西ではおなじみの旭ポンズも八尾うまれ。
高田社長の会社経営に対する姿勢には木村石鹸に通ずる物がありました。
ポン酢づくりでは安心、安全な食品にこだわってきた。原料が全部天然なんで、生産体制大きくしても、仕入れが追いつかない。
柑橘類も7、8年前ぐらいは干ばつで収穫ができないというときもあって。(中略)あと夏に雨が少なかったら身が小ぶりになって、少し酸味が強くなったりするし。だからむやみに大きくしてもね、というのは父親の考え。会社を大きくしても目が届かなくなって、中身がついていかなかったら意味がない。
これは私が入社初日に社長から言われたことと似ています。
よう大きな会社からうちみたいな小さな会社に来たなあ。
どんどん商品をつくって、売って、会社を大きくするという経営もあるけれども、社員が幸せな状態で働ける、あえて自分たちの能力を超えて大きくしないというのがうちのやり方なんやで。
旭ポンズの高田社長は最後にこう述べていました。
これからは時代の変化とともに、新しいことも考えていかなああかん。
今は家族の単位が小さくなっている。昔はご近所付き合いもあったけど、今は希薄になっているからね。
そんなことも考えながら、どんどん新しいことにチャレンジしていこうと思っている。
なんと、ものすごくマーケットへの理解があるではないですか…。
さきほどのフエキの例ではありませんが、伝統がある、それも売れている商品が既にあったりすると中々こういう考え方に至らなかったりします。
伝統を重んじながらも、新しいことにチャレンジしようとしている会社が同じ八尾にあると思うと、
木村石鹸も負けてられないなと、やる気が沸いてきます。
その他にも、ジーンズのボタンを作っているカネエム工業さんや、立体看板のホップ工芸さんなどのインタビューが載っています。
伝統の重視とチャレンジ精神、そんなものづくりに励む会社が八尾には沢山あるようです。
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東京から大阪・八尾の木村石鹸にマーケティングやりにきました。
人生のモットーは迷ったらドラマチックな方を選ぶです。