会社にあった人材ではなく、人材にあった会社をつくる
目次
IoTについてのセミナーで聞いたこれからの人材採用について
こんにちは、九月から社長に就任致しました、木村です。
少し前の話になりますが、9月25日の「IoTで変わる!企業と働き方セミナー」に講演者として出演させていただきました。
このセミナーで、さくらインターネットの田中社長と、サイボウズ社長室 フェローの野水さんの講演があったのですが、こちらがあまりにも面白すぎて、次に自分の登壇があることもほとんど忘れるぐらいに、没頭して話に聴き入ってしまいました。
このイベント自体のテーマはIotやITであり、その活用法や未来ということでしたが、お二人の話で共通して印象的だったのは、両社とも「人」が経営戦略上の、極めて重要な要素だと位置づけ、
いかにして優秀な社員を雇用できるか
優秀な人に選ばれる会社になるか
というところにフォーカスした制度や文化づくりを行っているところでした。
田中さんが仰ってたことで特に印象的だったのは、
仕事に合わせて人を採るのではなく、人に合わせて仕事を作る
という考え方です。
最近の先進的なベンチャーなどは、仕事において欠員がでたからある仕事のマンパワーが不足してるから人を探す、というのではなく、常に優秀な人を探している。
人が先、事業やサービスは後、優秀な人がいれば、仮に1つ事業がうまくいななくても、次の事業では成功できるだろう。
メルカリ社長の考え方を例にあげながら、そんなことを仰っていました。
私たちのようなある意味成熟した市場や商品を扱うメーカーでは、どうしても既存のビジネスに合わせて、組織構造や職種が定まっていて、固定化しています。
しかし、新しいことに取り組んでいくためには、今、そうやって最適化された組織や職種に当てはまる人だけを採用していたのでは難しく、極端に言えば、
今の組織では役割がない
他の部門や職種の人から見てあの人が何をやってるのかよくわからない
というような人を雇用していくことも必要なのかもしれません。
実は、この話を聞く前から、私自身も、「人に合わせて仕事をつくる」というスタンスを考えていて、もっとも重要なのは、何よりも優秀な人を惹きつける魅力を会社が持てるかどうかなんじゃないかと考えてました。
優秀な人は、今ある仕事を拡張していくこともできますが、全く新しいことを自ら切り開いていくこともできます。なので、今、仮にその人に合うような仕事がなくても、優秀な人であれば、あまり心配はいらないんじゃないかとも思うわけです。
峰松なんかは、もともと募集してた職種ではないけれど、やってきて採用したわけですが、今現在は、フル稼働。大忙しです。
それまで木村石鹸にはなかった機能や役割ですし、それが必要かどうかもその時点では、よく分かってはいませんでした。
でも、1年が経過して彼女の動きによって、今までの木村石鹸にはなかったような相談や依頼が数多くやってくるようになりました。メディア露出もとても増え、知名度もあがってきたと思います。
仮に、現状の組織では人が足りてるとか、今のビジネスでは必要ないということで採用してなければ、こういう展開はできてなかったと思うのです。
優秀な人を惹きつけるために組織が持つべき「寛容性」
優秀な人材を惹きつけていくために組織に必要な文化として「寛容性」や「多様性」というキーワードがサイボウズの野水さんの話であがっていました。
日本の組織はとにかく寛容性が低い。自分とは違う働き方をする人を許せない。
また、とくに「効率性」「効率化」を重視するきらいがあり、「寛容性」は、ある部分で、「効率性」と相反するところがあるため、そこも許容しにくいところがある。
効率性を重視し、寛容性が許容できないがゆえに、逆に効率が悪くなってる、というのが日本の大部分の企業が陥ってる病なのではないでしょうか。
例えば、いまや「共働き」が実質標準的な働き方であり、ディファクトスタンダードになりつつあります。なのに勤務体系などのルールや文化は、そうはなっていない。
基本、全員同じ時間に出社して、同じ場所で働いて、同じ時間で帰ることを理想としたものになってる、と指摘されていて、これはまさに「不寛容」の良い例と言えます。
子供を保育園に預けたり、送り迎えがあったり、それが「当たり前」なのだから、全員定時出社にしてるのは、確かにすごく「不寛容」と言えます。
寛容な組織文化こそが優秀な人を呼び寄せる ~サイボウズの場合~
サイボウズでは、100人いれば100通りの働き方がある、という前提に立ち、副業もOKですし、勤務スタイルも、ライフステージにあわせて柔軟に変更できるような作られてます。
日本では、一度、子育てで会社を離れたりすると、以前の給与額に戻らない、という現実があるわけですが、サイボウズでは、そういったことが起きないような制度設計をしてて、それは素晴らしいと思いました。
実際、サイボウズでは、一時は離職率が30%近くまで行ったものの、今は4%と、逆に、あまりにも辞めなさすぎなのではないかという水準になっているということです。
サイボウズの競合となると、マイクロソフトやグーグルなど、超メガ、ブランド企業となり、単純な金銭の報酬などでは到底敵わないそうです。
でも、彼らと張り合って優秀な人を採用できているのは、サイボウズがこれまで取り組んできた革新的な人事制度があり、柔軟な働き方を許容できる組織としての寛容性があるからだということでした。
確かに、制度自体は、作ろうと思えば簡単に作れるとは思いますが、問題は、その制度を受け入れられるような組織の寛容性、ムードや雰囲気、所謂「組織文化」といったものが、すごく重要なんだろうなぁと。
制度とその制度を運用するシステムは作れても、「組織文化」はトップダウン命令したから、そういう文化が出来上がるものでもありません。ある意味、もっとも作るのが難しいところなのかもしれません。
先日取材を受けたリクナビのインタビューでは、これからのマネジメントとリクルーティングの部分を掘り下げているので、興味を持たれた方は是非ご覧になってください。
これから木村石鹸で考えてること
まだまだ制度的にも文化的にも、問題は山積みですが、優秀な人に選んでもらえるような、チャーミングな会社になりたい、と思ってます。
そして多様な人が、多様な働き方ができるような、寛容性を兼ね備えた組織にしていきたいです。
最近では「大人インターン」という形で企業体験をしてもらうという、木村石鹸でも新しい形のリクルーティングにも取り組み始めています。
なので、現状、既存職種での採用は行ってはいないですが、我こそは、木村石鹸に新しい価値をもたらせるぞ、という思いのある人は、ぜひ気軽に連絡してみてください。
就職活動というような畏まった形ではなく、ちょっと会社の詳細を聞きたい、自分の能力が発揮できそうかどうか相談したいというレベルでも全然構いませんので。
よろしくお願いします。