木村石鹸

金属の洗浄のお話(その3)

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前回までは金属のスケールを取る話ばかりしてきましたけど、実際の金属の汚れって他にもいっぱい種類もあるし汚れだけでなく他にも取り除きたいものがあるんです。

金属の洗浄のお話(その2) | 木村石鹸 よもやま噺

金属の洗浄のお話(その1) | 木村石鹸 よもやま噺

プレス加工やドリルで穴をあける時って金属にを塗るんですけどその油って加工が終わると邪魔なんです。また、そのプレス加工やドリルで穴をあけた部分にはバリと呼ばれる突起物が生じます。

バリって分からない人は次の様な事を想像して下さい。
コピー用紙や障子紙を指で突くと穴があきますよね。でもその穴って綺麗に開きますか?穴の周りに紙が指を突いた向こう側に出っ張りますよね。この出っ張りをバリと思って下さい Φ(..)メモメモ

少し脱線しましたが、金属部品に油とバリの両方が付いている場合あなたはどうやって油とバリを取りますか?

洗剤で油を落して、それからヤスリでバリを取りますか?
前回初登場したバレル研磨って油を取りながらバリまで取ってしまうすごい加工方法なんですよ。

前回までに紹介したスケール取りはメディアの削る力と酸性の薬品の溶かす力を利用してましたよね。
今回の油落しはアルカリ性の薬品の力もしくは界面活性剤の力で落し、バリはメディアの削る力で落せます。

油には大きく分けて2種類あります。「植物や動物由来の油」と「石油由来の油」です。

油の種類によってアルカリ性の薬品が効果的な場合と界面活性剤が効果的な場合があります。どういうことでしょうか?

「植物や動物由来の油」は石鹸の原料となります。石鹸の作り方は植物や動物由来の油に水酸化ナトリウムや水酸化カリウムといったアルカリの薬品と水を加えてグツグツ煮込んで油とアルカリ性の薬品を反応させて作ります。その結果水にとけない油が水に溶ける石鹸に変わります。
しかし「石油由来の油」はいくら煮込んでもアルカリ性の薬品と反応しませんので石鹸は出来ません。
「動物や植物由来の油」の汚れであればアルカリの薬品だけでも落すことができますが「石油由来の油」の汚れの場合はアルカリ性の薬品ではなく界面活性剤を使用する必要があります。
界面活性剤とは何かという説明は今回は省略します m(_ _)m (こちらも参照:「界面活性剤」について | 木村石鹸 よもやま噺

前回のスケール汚れや今回の油汚れなど汚れの種類に応じてコンパウンドに入れる薬品を私たちは決めています。メディアも同じように用途に応じて使い分けしています。例えばバリを取る場合にはヤスリと同じように目の粗いザラザラのメディアを使います。表面をピカピカにしたい場合には目の細かいツルツルのメディアを使います。
今回は油の付いたバリのある鉄の部品をバレル研磨してみました。左の写真はバレル研磨前です。右はバレル研磨した後の写真です。どうですか?油もバリも取れました v(^。^)ノ

バレル研磨前のワークバレル研磨後のワーク
鉄のワークの右奥の魚のヒレみたいなのがバリ、
表面の茶色いシミが油
バレル研磨後のワーク

弊社のバレルコンパウドの特長については、こちらをご覧下さい。
木村石鹸のバレル研磨用コンパウンドの特長|木村石鹸

会社で3本の指に入る怒りんぼですがコンサートに行くと泣き虫な男です。いい商品を作って世の中に送って行きたいのでご要望があればドシドシ言ってやって下さい。

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