木村石鹸

金属の洗浄のお話(その2)

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前回( 金属の洗浄のお話(その1) | 木村石鹸 よもやま噺 )のおさらいです。
鉄の部品を真っ赤に加熱して真っ黒になった表面(スケール)を綺麗にするにはどうしたらいいのでしょうか?

  1. ヤスリや砥石で削るのは時間と手間がかかるし、細かいところは取りきれないかも・・・。
  2. 酸性の薬品で洗えば取れるけど塩酸や硝酸は怖いし、クエン酸は弱くて時間がかかる・・・。

1)の方法は物理的な力でスケールを取る方法。
2)の方法は化学的な力でスケールを取る方法です。

難のある(1)と(2)の方法をコンビネーションすれば問題解決できるかも。

ではこんな方法を思い浮かべて下さい。

カクテルを作るシェイカークエン酸(他の薬品でもいいですよ)と粗めの砂か細かい石スケールの付いた鉄の部品を入れて1時間程度バーテンダーのごとくシェイクします。1時間たってシェイカーの中から鉄の部品を取出すと綺麗にスケールが取れて鉄の表面が現れていることでしょう。
でも1時間もシェイク出来る人なんてなかなかいませんよね?

それじゃあ機械にやってもらいましょう。

ここまで長々と説明しましたがここで登場するのがバレル研磨という加工方法です。

一般的なバレル研磨(湿式法)とは「バレル槽に水とコンパウンドとメディアとワークを入れてバレル槽に振動や回転を与えてワークを研磨する加工方法です」・・・いきなり難しくなりましたね (?●?;)

先程のバーテンダー1時間シェイク法と比較してもう一回確認すると

バレルコンパウンド

になります。何となくイメージがわきましたか?

バレル研磨の詳しい説明は次回に・・・

下に実際にバレル研磨している写真を載っけちゃいました (._.)ふむふむ
前回は釣針のスケールを取りましたが今回はスケールを取ると同時に釣針をピカピカにしちゃいまshow。

写真を簡単に説明するとバレル槽に水とコンパウンドとメディアと釣針を入れます。そしてバレル槽を機械がグルグル回します。バレル槽に入れたメディアがスケールを削り、コンパウンド(今回使用したものはクエン酸主体の酸性コンパウンドです)で細かいところのスケールを溶かしています。
今回使用したコンパウンドも私が開発したんです。どうですピカピカでしょ (^o^)丿

バレル研磨の様子バレル研磨の様子バレル研磨の様子
バレル槽に水、コンパウンド、メディア、釣針を入れましたバレル槽回転中(研磨中) バレル槽回転中(研磨中)

会社で3本の指に入る怒りんぼですがコンサートに行くと泣き虫な男です。いい商品を作って世の中に送って行きたいのでご要望があればドシドシ言ってやって下さい。

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