木村石鹸

40期終わり、41期のはじまり。40期の目標設定のこと。

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こちらの会社のブログのいわゆる「コンテンツ系」のものは、ほぼ「くらしの丁度品店」という、5月末からスタートした弊社のオリジナル直販サイトの読み物コンテンツに移行させました。なので、この会社ブログは、今後はどちらというと会社自体のことや、経営やらマネジメントなど少し堅いめのコンテンツを中心にしていきたいと思ってます。

目標設定

41期が終わりまして、もう42期がスタートしてます。

木村石鹸は6/20が期末です。この6/20で、やっと41期が終わったと思ったら、翌日の6/21からは42期が始まってるわけです。いつも思うんですけど、学校みたいに期末が終わって春休みがあって、新年度を迎えるみたいに、期末と期首の間に少しインターバルとかでもあったら良かったのにと。

さてさて、気付けばもう1ヵ月が過ぎました。

すでに「前期」となった「41期」。まだ最終の決算確定もできてない段階ですが、当初の年度目標はほぼほぼ達成できたかなとは思ってます。なかなか大変な一年だったのですが(そもそも楽な年なんて、今まで経験したことはないですが)、結果的には実りの多い、これからに繋がる1年だったと思ってます。

高い成長率を掲げなかった41期(前期)。その理由

41期は、実はそんなに高い成長率を目指したわけではありませんでした。

期首に前期(40期)の決算報告と、今期(41期)の目標などを説明しに、金融機関を回ったのですが、その41期の目標数値を見て、「これぐらいは余裕ですよね、えらく保守的じゃないですか」なんて言う人もいたぐらいです。傍から見たら、ちょっと目標にしては低いんじゃないのと思われたのかもしれません。

というのは、実は、うちの場合、その前の年、つまり40期にとある商品が大ヒットしまして、その商品の大ヒットのお蔭で、中期経営計画を1年前倒しで達成してしまうということことがあったわけです。なので意図せず、39期→40期は、予想しなかった成長率になったんです。金融機関からすると去年あれだけ成長してるんだから、今年(41期)はもっといけるんじゃないのと単純に思ったのかもしれません。

ただ、メーカーの場合、大ヒットが出たから手放しで喜べるのかとうと、そうじゃないところもあります。

2006年の失敗、大ヒット商品の後の恐さ

うちの場合、実は過去、2006年にも同じように大ヒット商品がでて、売上が一気に対前年で140%ぐらい伸びたことがあります。業界によっちゃ140%なんて毎年当たり前だよ、というところもあるかもしれませんが、うちのような零細企業で、かなりコモディティ化してる日用雑貨分野でいくと、これはけっこうな伸び率です。

ところが、売れた商品が出たとなれば、競合も黙っておらず、一気に似たような商品が大量に安価に出回り、翌年には急速に需要が落ち込みました。価格も下がり、在庫も膨れ上がりました。

流行とかブームみたいなものは、その反動が恐ろしいわけです。一度、大ヒットして売上規模が大きくなってしまうと、在庫もそれに引きずられるし、製造能力などもそれにフィットさせるようになるので、固定費のベースが確実に上がります。翌年、急速に売上が縮んでも、固定費をそにれ比例させて縮めることは難しく、結果的には営業利益率も額も、えらく落ち込むことになりました。

なので、うちの会社の財務諸表を見てると、2006年を境に、総利益率やら営業利益率やらが、 まったく違う会社のようになってしまったんです。要は、ものすごく経営的な数値が悪化したわけです。(その後、2008年にリーマンショックなどがあり、原料などが一斉に値上がりした等の影響も受けて)

大ヒット商品頼りにならないビジネスをつくらないと

というような痛い過去を経験してるので、40期に大ヒットして、売上がえらく伸びてる時も、個人的には無邪気に喜んではいられず、次の期に、その商品がどれぐらいの額を達成できるかということばかりを気にしてました。結論的にはどう考えても、かなり大幅ダウンするだというところに至ったわけです。そして、一発狙いの大ヒット依存のビジネスモデルだけにはなってはいけないと強く思ったわけです。

なので、40期の時点から41期は、この大ヒット商品がそれこそ、前期の70%や60%ぐらいの売上に留まるであろう前提で数値を組み立てることにしました。それも加味しても、それでも売上も成長させる必要はあるし、利益もしっかり残したいということで、目標の組み立てをしました。

いたずらに成長率を追わず、ビジネスの在り方の理想をまず考える

年度予算の設定の場合、前年の〇%増と、とにかく成長率を維持することを必須みたいに設定しちゃうケースがありますが、僕はいたずらに成長率を追い求める目標の立て方では、中長期的には、どこかで失速してしまうんじゃないかと思ってたので、あえて、成長率を落としてでも、長期的な視点にたって、成長させるための活動や戦略/戦術を組み立てるべきだと考えました。

僕としては、1商品で1億売上があるけど、翌年その商品が急速に売れなくなる可能性が高い、という状況よりも、1商品1000万の売上だけど、そんな商品が10個あって、翌年もこの内7~8商品は同じぐらいは売れそう、というような状況のほうが精神的な安心感を得られます。

前期は意図せず、1アイテムのおかけげ売上が跳ね上がってしまったけど、今期は、将来を見越して、後者の例のような複数の安定した商品で売上を作っていく、という状況に変えていきたいと強く思ったわけです。その取り組みを始めると、売上を伸ばすことはけっこう難しいんですね。

というような経緯もあり41期の目標は、あまり大きく伸ばすような数値の組み立てではなく、いかにして中身を変えて、42期以降のより安定した、持続的な成長を確保できるような環境や体制をつくるかというところにポイントを置いたものにしました。

しかし、ふたを開けてみると、かなりマイナスで読んでた前期の大ヒット商品が、その予想以上に落ち込んだりして、けっこう大変だったのは事実です。ほんと大ヒットって恐い。

ただ、前期からも、大ヒットだけに頼らない、堅実な商品ラインナップを作っていくということは地道にやってましたし、41期においても、それを継続してたおかげで、期の後半からは、いくつかの商品が力強い売上を作り出してくれるようになってきました。これは前期の1商品頼りで目標を達成してしまった状況とは明らかに違ってて、経営的には、今期のほうが良い状況に向かってるという実感を得ることができました。

この目標設定は結果的には間違いではなかったかなと思ってます。

今期はけっこう強気の成長率を目標に設定した

そして今期。今期42期は、40→41期に比べると、かなり強気の成長率を目標に掲げました。
現場的にも、今期は、うーん、けっこうこれは高い目標だ、、、どうすりゃいいんだと、頭を抱えるような感じです。

でも、別に無理矢理、闇雲に高い目標を設定したわけでもないんです。

40→41期で、成長率を多少は犠牲にしても、ビジネス構造や商品のポートフォリオを変えていくことに力を使い、その基盤がすこしできつつあるからこそ、掲げることが可能になってる目標なので、これぐらいは行かんといけないのです。そうじゃないと、去年、目標を低くして体制を整えた意味がないので。

とはいっても、この目標は、今の既存顧客、商品、チャネルなどだけでは、どう考えてもその目標をクリアすることができないので、新しい取組みが必要になります。多分、今期もひーひー言いながら、もがき苦しむことになるんだろうとは想像してます。来年の同じぐらいの時期にも、「良かったエントリー」が書けるように頑張りたいと思ってます。

新しいもの好き。ちょっと変わったものを生み出していきたいです。

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