アクションラーニング研修はチームビルディングに絶大な効果あり
木村石鹸ではいろいろな勉強会があるのですが、今年は少し変わった部門長研修を取り入れてみました。
今までの部門長研修というのは、ある団体のその手の研修コースに参加するというものぐらいでした。だいたいどこかの施設に二泊三日などで泊り込み、朝から晩まで色々な講義を受けたり、グループに分かれて何かの課題に取り組んだりする、よくあるマネジメント研修です。
こういったものが悪いとは思わないですが、いつも感じてたのは、この手の研修が、今会社が置かれてる状況や、研修を受ける本人が抱えてる課題などとは微妙に異なるので、そこで何かを学んだ、気づきを得たからといって、それがそのまま現実の仕事にすぐに活かされるということがなかなかないなぁというモヤモヤ感でした。
(※長い長いエントリーですんません。)
目次
- 1 アクションラーニングとの出会い
- 2 アクションラーニングとは何か?
- 3 なぜ部門長研修? どんな目的があったのか?
- 4 部門長の研修でのアクションラーニング導入、期待する効果とは?
- 5 木村石鹸「アクションラーニング研修」のアウトライン
- 6 セッションのルール~質問縛り~
- 7 問題を解決するのは本人、だから本人が問題の本質に気づくこと
- 8 質問を繰り返してるうちに、新たな視点、別の気づきが得られる
- 9 支援型リーダーシップの実践的研修の場としても
- 10 手法は大事だけど、やっぱりファシリテーターの能力がかなりモノを言うのではないか?
- 11 そして、「問題の再定義」で、問題の本質が浮かび上がる…
- 12 問題の再定義からのアクションプラン
- 13 四回の研修プログラムの中身は?
- 14 アクションラーニングに取り組んでみて、その効果とか
- 15 こんな悩み抱えてられる企業や組織には・・・
- 16 余談ですが、「語り呑み」についても・・・
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アクションラーニングとの出会い
そんな折、私の前職で、「アクションラーニング」という研修プログラムを取り入れたという話を聞いたのです。
そして、「アクションラーニング」研修を受けた私もよく知るあるスタッフがすごく良くなった、周りから○○○さんが見違えるように変わった、というような評価を耳にしたのです。
あの◯◯◯さんの行動を変える研修プログラムって何だろう、私はその一点だけでものすごく興味を駆り立てられました。
そのプログラムの導入やファシリテーションを手掛けてるのが、メロスパートナーズ(株式会社メロスパートナーズ)という会社の代表取締役宮本さんでした。
私は、さっそく宮本さんに連絡を取って、「アクションラーニング」について教えてもらうことにしました。
アクションラーニングとは何か?
アクションラーニング とは、日本アクションラーニング協会の定義では、以下のようにされてます。
グループで現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる、実際の行動とそのリフレクション(振り返り)を通じて、個人、そしてグループ・組織の学習する力を養成するチーム学習法です。 アクションラーニングという言葉は2つの意味でもちいられます。第一には、アクションラーニングとは、このようなチーム学習のプロセスであり、第二にはそれらのプロセスが生じる場を生み出すプログラムとしてです。
重要なのは、ラーニングの場で得た知識や知見を、現場で実際にアクションとして試し、その結果・フィードバックを持って、再びラーニングを行う、これを繰り返すことによって学習していくというところでしょうか。
メロスパートナーズでは、この「アクションラーニング」という枠組みの中に、独自のメソッドを投入した研修プログラムを開発され、大企業から私たちのような中小・零細企業まで、様々な企業の研修プログラムを運営されていました。幹部研修のようなものもあれば、それこそ新卒フレッシュマン向けのプログラムなど、幅広い層に向けたプログラムが用意されています。
宮本さんに、私が感じてることや問題意識を話すると、こういう研修プログラムをやると、こういうところはかなり良くなるんじゃないかと、提案をもらえました。
話を聞いて、ぜひこれを自社の部門長研修に使いたいと思い、宮本さんに研修を受けプログラムの実施をお願いしました。
なぜ部門長研修? どんな目的があったのか?
木村石鹸では、この夏から新しく「商品企画・マーケティング室」という部門を作りました。
今までは、大きく営業部門、製造部門、製品企画部門、管理部門という4部門でした。営業は消費者向けと業務用に分かれているので、部門長としては6人の部門長がいるという組織図でした。
木村石鹸はまだ人数としても30人ちょいという小さいな組織なので、事業部制ではなく、職能性の組織をとってます。なので、各部門は、他部門との協力や協調がないと機能しないわけです。
しかし、部門長同士では、それほど密なコミュニケーションが取れてるわけでもありませんでした。仲が悪いということではないのですが、どうもお互いに遠慮があったり、仕事上必要な意見の交換などを必要以上に形式的なところにこだわったり、というところが垣間見られるのです。ある問題に取り組むのに、複数部門で話し合い、解決策を考えればすぐに解決できそうな問題でも、ここからここまではこの部門で考えて、この部門の中で解決策を出そう、というように出来る限り自部門だけで解決していこうというスタンスが強いのです。
おそらく、部門長の間では、密なコミュニケーションが必要だという意識も持っていなかったのではないかと思います。今までもそういう形で仕事を進めてこれたし、それで大きな問題があったわけではなかったからです。
また、新設した「商品企画・マーケティング室」という部門の位置付けや、他部門との連携方法など、曖昧なところも多く残されているということも問題としてありました。部門の役割はいちおう決まってはいるものの、現場の中ではこうしたほうが良い、ああすると上手くいくというようなオペレーションがあるものだと思います。そういうものを見つけ出していくのも部門長同士での話し合いが必要なわけですが、その時の当社では、放置しておいてもそこはなかなか誰も手をつけようとはせず、お見合い状態に陥ってしまうというのがパターンだったのです。
私は、外からやってきたということもあるのだと思いますが、この組織体での部門長の仕事の仕方には、すごく勿体ないところが多い、と感じるところがありました。ほんの少し協力したりするだけで、随分と仕事がスムーズになるのにと思えるところは多々ありましたし、また、少し連携しあえば、それによってより大きい価値を生み出せるんじゃないか思う場面もけっこうあったのです。
ただ、それを強要や強制で実施するのは、不可能だと思ってました。「もっとコミュニケーションを取れ」と命令して、コミュニケーションが良くなることはまずありません。むしろ、形式的な無意味なコミュニケーションばかりが増えて、悪化するケースの方が多いという印象です。
部門長陣、一人一人の能力向上、マネジメント力のアップという課題は課題としてあるものの、もっと部門長同士が連携して、協力して仕事を進めていく、姿勢とか態度とかをどうにかして変えていくことができないだろうか。
そんなことを考えてた時に、出会ったのがこのアクションラーニングという手法だったのです。宮本さんの説明を聞くと、まさに、これは木村石鹸の部門長陣が置かれてる課題にマッチしていると感じたのです。
部門長の研修でのアクションラーニング導入、期待する効果とは?
宮本さんから今回の部門長の研修のプログラムを実施では、最終的には次の三つの成果を生み出したい、と説明を受けました。その三つとは。
- 問題解決を通じた人材育成
- チームビルディング
- 支援型リーダーシップの開発
この中でも特に、チームビルディングについてはかなり効果があると、宮本さんも断言してくれました。チームビルディングというのも、抽象的な言葉ですが、私が期待したチームビルディングとは、今の部門長たちがより密なコミュニケーションを積極的取り、部門を跨いだ課題や問題に取り組んでいってくれる姿でした。
その意味では、今回の研修を通じてこの理想の姿へは、近づいていくための一歩が踏み出せたのではないかという実感を持っています。
木村石鹸「アクションラーニング研修」のアウトライン
では、今回のアクションラーニング研修がどのようなものだったかを説明していきます。
今回の部門長研修の対象者は6人。1回の研修は2日に渡って行われました。1日目は13:30~18:30、2日目は、8:30~13:30 という具合に、1日5時間ぐらい。1人につき1.5時間ぐらいの時間を取って、1日3人の「セッション」と呼ばれるディスカッションが設定されます。休憩は挟みますが、セッション中は集中して取り組むことがルールとして課されます。セッション中の離席や携帯電話、スマホ利用、PC利用は禁止。忙しい部門長をこの時間拘束するのは結構大変なことですが、ここは意外と重要なところです。
こういった二日に渡る研修を一回とすると、毎月一回、合計四回の研修が行われます。最初にオリエン、最後は経営陣への発表・振り返りという回が設定されているので、前後の2回=2ヶ月を足すと、トータルで約6ヶ月の研修プログラムになります。
第一回目は、個々の部門長が、自身が抱えてる悩みや課題を、特定のフォーマットにまとめて提出するところから始まります。課題の設定、中身については事前に、宮本さんの方でチェックが入り、アクションラーニングのセッションで議論するのに相応しいものにして頂けます。
セッションのルール~質問縛り~
セッションの当事者をAさんとします。
まず、最初にAさん本人が抱えてる「問題」が皆に明らかにされます。Aさんは、その問題を背景なども含めて皆に説明します。そこからセッションが開始になるわけですが、Aさん以外の周りの人は、その課題について、質問しかしてはいけない、というルールが設けられてます。質問縛りです。

基本、「質問」だけで進んでいく会議。最初は戸惑うも、慣れてくると、質問からいろんな気づきが得られる。
意見を言ったり、批判をしたり、アドバイスをしたりということは基本禁止で、周りのメンバーが出来ることは「質問」だけです。通常の議論や会議では、個々人が意見を言い合うのが普通だと思いますが、ここでは意見はご法度なのです。このあたりがこの研修プログラムのユニークなところです。
問題を解決するのは本人、だから本人が問題の本質に気づくこと
この質問縛りのセッションには、次のような前提があります。
- 問題に対しての答えは、本人(Aさん)が持っている、ということ。
- そして、本人(Aさん)が問題の本質に気づかなければ、問題の解決はできない。
周りがAさんに対してしてあげられることは、質問によって新たな視点、違う視点を与えることなのです。周りのメンバーは過剰にAさんと同じ視点に立って解決案や解決策、問題の本質を考える必要はありません。むしろ、最初は考えない方がいいぐらいで、ただ、ただ色々な視点を提供するために、様々な質問をしてあげればいいだけなのです。
時には質問は、Aさんにだけに向けられるのではなく、他のメンバーに向けられても構いません。また、そのAさん自身が、別のメンバーに質問することも構いません。 重要なのは、質問と回答でセッションが構成されるということです。質問と回答のやり取りの中で、Aさん自身が、問題の本質を考えていくということが必要なわけです。
質問にすぐに答えることが出来ない場合は「パス」も構いません。問題にきちんと答える、適切な回答を見つけるということよりも、意識しないといけないのは、リズムであったり、出来るかぎり新たな視点やキッカケになりそうな質問を得ることなので、質問者側もAさん側も、1つの質問にあまり時間をかけ過ぎないようにしなければなりません。ブレストなどと同じように最初は質よりも数、数多くの多様な質問が飛び交うことを意識したほうが良いようです。
質問を繰り返してるうちに、新たな視点、別の気づきが得られる
そうやって、質問/回答を繰り返していくうちに、Aさんには、今まで問題だと思ってたこととは、違う問題が浮かび上がってきます。
例えば、最初問題として設定したのが、「部下が言うことを聞いてくれない」というものだったとしましょう。 これに対して質問を繰り返していく中で、Aさんの中には、「部下が言うことを聞いてくれない」ことが問題の本質ではなく、「自分が部下に遠慮しすぎてハッキリとした指示を与えられていない」ことが問題なのではないかと思うわけです。
実際、今回、木村石鹸では、合計4回、24回のセッションを行ったわけですが、そのほぼ全てで、各人がもともと掲げた課題や問題とは、異なるところに、問題の本質があるという結論に至りました。
質問セッションが重要なのは、こういった気づきに、本人自身が達するということです。それが正解か間違いかは大した問題ではなく、多面的な質問から、自身で問題の本質を見つけ出すことが、その後の行動(=アクション)に繋がるということが重要なのです。
トヨタに、why5回みたいな標語があったり、問題を解決するためには、答えを求めるよりも、まず適切な問いを立てることが必要というような考え方(イシュードリブンとか)があります。
質問縛りのセッションの意図は、質問を繰り返していく中で、問題の本質=適切な問いを立てるということにも繋がります。最初に立てた問題から、全く異なる問題の本質が浮かび上がってくるとき、参加者にもやはり驚きがあるようです。
今回の研修の中で、何度もそういう場面があり、オブザーバーとしてセッションの様子を見させてもらっていた私自身も予想だにしない意外な本質が明らかになるケースもあり、それはとても刺激的で楽しい経験でした。
支援型リーダーシップの実践的研修の場としても
また、このセッションを通じて、周りの人間も「支援型リーダーシップ」を実践しながら学ぶことになります。 リーダーが強烈なリーダーシップを発揮してトップダウンで問題を解決していくのではなく、現場を支援し、スタッフ自身で考えさせ、気づきを与えたり、行動を促す、所謂、コーチングなどと呼ばれるものだと思いますが、この質問縛りのセッションを何度か経験しているうちに、同じことを現場のメンバーにも出来るようになってくるわけです。
本人に問題について考えさせる、解決の糸口となるキッカケを与える、そんなときに「質問」というのは、非常に大きな力を発揮するのです。
手法は大事だけど、やっぱりファシリテーターの能力がかなりモノを言うのではないか?
質問縛りによるセッションをやっていても、なかなか気づきが得られないケースも出てきます。参加メンバーもこのセッションは迷走してるなと感じ、少し煮え切らないセッションになっていきます。
そんな場合には、ファシリテーターが、色々な方法で、場の雰囲気やモードを変えます。この辺りはファシリテーターの腕の見せ所でしょうか。一旦、質問縛りを解いて、各人が率直に思う意見を出すという時間を挟んだり、今までのセッションから、問題の本質や解決がありそうな方向性をいくつかに取りまとめ整理し、どの方向で今後のセッションを進めるかの判断を仰いだり。
今回、宮本さんは、かなりうまくこの辺りのファシリテーションを行ってくれました。多分、木村石鹸だけで独自でこれをやってても、なかなかうまくは行かなかったのではないかと思います。
セッション内での煮詰まった場合の場面転換だけでなく、最初のメンバーへのオリエン、セッション開始前での場のほぐし方、セッション終了でのまとめ方なども含めて、簡単そうにやってることが、実は、ノウハウの塊のようなもので、セッションを盛り上げていくためには必要不可欠の要素だったりするのだろうと思います。
私自身は、前職ではこういった会議などでのファシリテーターをやらされるケースが多々あったので、その難しさは身をもって知ってます。なので、今回、部門長陣のセッションの様子を見て、私はやはりプロは違うなぁと痛感したのです。ああいう技を身につけて、自身でもうまく立ち回れるようになれたらいいなぁとは思うのですが、これは経験や知識だけでなく、センスもモノを言う世界なのではないかと思います。
そして、「問題の再定義」で、問題の本質が浮かび上がる…
質問セッションが佳境を迎えると、ファシリテーターがタイミングを見て、一度、「問題の再定義」という時間を設定します。質問/回答をしばらく繰り返した後に、Aさん自身に、何か気づきがあったか、新たな視点を得られたかを問い、一度、問題を再定義させるのです。この際、メンバー全員にも、Aさんの問題が何か、ということを再定義してもらいます。

各人が、問題の再定義を行って張り出していく。中身は、主せできません…
Aさん以外の周りのメンバーが、Aさんの問題の再定義を、紙に書いて、それを順番に貼りだして発表、説明していきます。最後に、これらメンバーの「再定義」を参考にしつつ、自身の「再定義」を発表します。周りの人もセッションの中で様々な気づきを得ています。なので、ここで発表する周りの人たちの「問題の再定義」が、当事者・本人にとってすごく腑に落ちるものになるというケースも多々あります。
問題の再定義からのアクションプラン
そうやって問題が再定義できたら、次は、行動計画の策定です。
アクションラーニング研修の最大のミソは、この行動計画策定にあります。扱ってる問題も、自身の直面してる問題なので、その問題にどう対処するか、その問題に対してどんな行動を行うか、ということも、基本的には、次のセッション、つまり1カ月後のセッションまでを射程として設定することになります。
この辺りが通常の研修プログラムと大きく異なるところではないでしょうか。
セッションで得た気づき、問題の本質に対して、直近でどのような行動を取るかを本人が落とし込まないといけないのです。行動に落とし込めないものは、結果として現れない。アクションラーニングの根底には、学んだことを実践で活かす、その結果・フィードバックをもって次の学習に向かうというサイクルがあります。なので、宮本さんは行動計画に落とすことができるか、その行動計画が意味あるものかどうかというところには細心の注意を払ってられたように思いました。行動計画が良くないと、結局、実践できない、効果がよくわからないという悪循環に陥ってしまうからでしょう。 逆に、何かしらの行動に繋がりさえすれば、セッション自体がそれほどうまくいかなくても、何かしらの変化のキッカケは得られるということになります。
視点はすこし違いますが、バランススコアカードを立案したロバート・S・キャプランは、「戦略の失敗の大部分は、その戦略の実行レベルにある。そして、実行段階での最も多い失敗は、そもそもその戦略が実行されないことにある」というような内容のことを語ってました。(手元に書籍がないのでうろ覚えですが)
そう。結局、どんな戦略にせよ、問題解決策にせよ、実行できなければ、そもそものそれが正解なのか失敗なのかさえわからないわけです。失敗であれば、失敗だという結果を知ることで、それはまた次のアクションへと生かせます。何もしない、出来ないというのは、もっとも意味のないことなわけです。
行動計画を策定する際に、周りのメンバーは、どんなサポートが出来るかをその場で表明します。 ここも重要なところです。
一緒に問題に取り組んだメンバーがその場でサポートについて約束する、その場をきちんと共有する、これもチームビルディングには必要なことなのだと思います。
宮本さんによると、木村石鹸のような職能型の組織の場合は、この辺がすごくうまく行くということが分かったということでした。事業部制などで、各部門で業務が完結している場合での部門長の研修や、部門も跨いだメンバーでの研修の場合は、なかなかこのサポートのところが難しいそうです。
四回の研修プログラムの中身は?
四回の研修プログラムですが、1回目、2回目は、各部門長自信が問題を設定します。
3回目は360度評価を取り入れて、360度評価の結果をもとに自己分析を行い問題を設定します。4回目は、上司(私)から各人に問題を与え、そのお題についてのセッションを行います。
今回、木村石鹸では時間の都合などもあり、3回目と4回目がひっくり返った形になりました。上司お題の後に、360度評価だったのですが、やはりまずは周囲の期待や評価を可視化した上で、それを下敷きにしての上司お題としたほうが本来は良かったかなと感じました。
上司お題の回には私は出席はしてないのですが、でも、360度評価の回は、これはこれでかなり盛り上がりました。
この回だけはいつもは会議室でやってるものを、当社の和歌山の保養施設(通称 イエローハウス)で、泊りがけで行ったのですが、それがすごく良く、セッション以外の時間も含めて、ものすごく濃密な時間を部門長たちで共有することができました。こういう研修は、たまには場所や環境を変える、時間を気にせず飲んだり語ったりできるような場で実施するというのも、とても効果的のようです。
アクションラーニングに取り組んでみて、その効果とか
たった4回目の研修とはゆえ、この研修プログラムから得られたものはかなり大きいものだったと、私は感じてます。
部門長たちも、研修前は、かなり懐疑的で、忙しいのになんでこんなこと、やらないといけないんだ、というような後ろ向きな意識の人もいたとは思います。しかし、今は全員がやって良かった、と言ってくれています。 おべっかやお世辞ではなく、ある人は、アクションラーニング研修によって仕事がすごくしやすくなった、本当に良かったと、アクションラーニング研修を絶賛していました。それぐらい本人にとっても気づきが大きく、得られるものが大きかったということでしょう。
研修プログラムなどを実施してもらって、こういう感想が得られるのは、案外少ないんじゃないかと思うのです。大抵は、「ここで学んだことを、現場で活かしていきたい」みたいな紋切り型の感想で終わるケースが殆どで、その内実は、勉強にはなったけど・・・ というものではないでしょうか。
大きな変化として、部門長たちが他部門の問題などに積極的に関与していくようになったと感じてます。 また、部門長同士のコミュニケーションもすごく良くなってきています。お互いの悩みや課題を共有し、質問によって一緒に問題を考えるという場を共有したから築かれた信頼関係というものがあるのでしょう。部門は違っても、一つの会社のワンチームなのだという意識が芽生えたのではないでしょうか。
また、個々人でいっても、自身が抱える問題や弱みなどが可視化され、またその本質の深堀ができたというのは大きかったように思えます。本人たちは否定するかもしれないですが、端から見ると、如実に行動に表れてる、すごく意識して問題に取り組んでる姿も見られ、私としては嬉しくなりました。
想像以上に良いものを提供してくれたアクションラーニング研修でしたが、しかし、そのままなにもせずに放置すれば、自然とまた元の状態に戻っていくでしょう。 タイミング、タイミングを見計らい、振り返りセッションなども開催していく必要があるのではないかとも思ってます。
また、このプログラムにはかなり手ごたえを感じたということもあるので、どうにかして全社的に広げていきたいなぁとは考えてます。
ただ、といってもお金のかかることですし、教育にどこまで予算を投じるかという問題もあるので、まずは、今回の研修で得たもので自分たちでできるところは自分たちで、試行錯誤して挑戦してみながら考えていきたいと思います。
こんな悩み抱えてられる企業や組織には・・・
職能型組織などでも部門長やリーダー陣を対象とした研修プログラムとしては即効性も高く、効果は絶大だと思います。特に、コミュニーケーション面などでの問題を解決していきたいと考えられてるなら、一度、実験的にでもセッションを受けてみるというのも良いのではないでしょうか?
アクションラーニングを取り入れた研修プログラムに興味がある方は、ぜひ、メロスパートナーズの宮本さんにコンタクトしてみて下さい。
今はお一人でやられてるので、タイミングなどではなかなか研修をお願いできないケースもあるかもしれませんが、相談だけでも色々得られるものがあると思います。
(宮本さん、勝手にこんなこと言ってゴメンなさい!)
余談ですが、「語り呑み」についても・・・
今回、アクションラーニング研修を実施していく中で、宮本さんから「語り呑み」というものを提案いただきました。
アクションラーニング研修を受ける部門長6人に私を加えた7人で、毎月、つまり次の研修までに各人2名とのサシ飲みをやるというものです。「語り呑み」とは言ってますが、別に必ず夜に飲みに行かなくてはならないというわけではなくて、ランチでも構いません。とにかくサシで「語る」、その時間を作るというルールです。私も実はサシで呑みに行ったことのあるメンバーは少なく、この「語り呑み」で初めて部門長各人と会社外のところで話をする時間を得ました。
なかなかこういう制度というかルールを設けないと、気の合う人とは普通に行くけど、そうではない人とは積極的に行こうという人はまずなかなかいないと思います。その意味でも、こういうものを提案してもらったのは良かったのではないかと思います。 実際、各メンバーも「語り飲み」という機会で、初めてサシ飲みをしたという人も少なくはなかったようで、飲んで語ってみたら、お互いいろんなことがわかって、より打ち解けたとか、そういう声もありました。