バレル研磨について

バレル研磨用コンパウンドについて

コンパウンドは、切削や研削加工における切削研削油剤と同様な効果をもたらすもので、バレル研磨における研磨量、表面粗さ、色調、光沢、防錆効果に影響を与えます。
また、研磨部品の材 質、使用研磨材の種類によって適正なコンパウンドを選定する必要があります。
バレル研磨におけるコンパウンドの作用は、その使用量が少ないにもかかわらず非常に重要です。
バレル研磨が成功するか否かはコンパウンドによることが大きいのです。


コンパウンドの作用

  1. 清浄作用 コンパウンドの目的が油取り、清浄、スケール取り、中和、研削、丸みつけ、荒研磨、仕上研磨、艶だしのいずれの工程であっても、工作物及びメディアを清浄に保持し、メディアの切削能を保持させることは絶対的に必要です。
  2. 光沢作用 鉄系金属に固有の金属の色調と非鉄金属の光沢をださせる目的です。 一般的には、適当な化学薬品を用います。これらの薬品は光沢作用と同時に、長期にわたってバリ取り作用や研磨作用を害しないものでなければなりません。
  3. 分散作用 研磨加工による金属粉末はコンパウンド溶液の中に懸濁し、工作物の方に再び付着しないようにしなければなりません。コンパウンドには通常このような懸濁剤、即ち、再付着防止剤を含んでおります。このような再付着防止剤には高分子系の製品、石鹸、界面活性剤などがあります。
  4. 防錆・防食作用 酸性コンパウンドのときは、錆防止と腐食防止作用が必要であることは容易に理解できます。そうでなくても多くの場合において、水や空気による錆生成と腐食を防止する作用を持つ必要があります。その為に、数多くのコンパウンドには少量防錆剤を含有しております。
  5. 脱脂洗浄作用 金属材質工作物の素地に付着している油脂性汚れとそのほかの汚れをすべて除去しなければなりません。コンパウンドはその目的を達成するために、脱脂洗浄能力が必要です。
  6. 緩衝作用 研磨中において工作物とメディアとの間の直接の衝突を避け、繊細な部品やデリケートな表面を損なわないために、コンパウンドに対して緩衝作用または潤滑作用が必要です。
  7. 水の調節作用 水は地方によって、国によって、その硬さ(硬度)が違っています。コンパウンドは水の硬さを適当に調節する作用を持っていることが必要です。

コンパウンドの種類

  1. 清浄用コンパウンド この分類に属するコンパウンドは、それ自体では研磨剤を含まず、その清浄作用によって研磨石の研削条件を最高に保つ作用をするものです。 この種類の特長については、粉末タイプの製品はアルカリ性が強く脱脂力も強い。 液性の製品は乳化系のエマルジョンタイプが多い、全金属脱脂剤として使われています。
  2. 光沢用コンパウンド 金属の表面に光沢を出させるのが目的のコンパウンドです。液体と粉末タイプ、また酸性光沢用コンパウンドもあります。
  3. スケール取り用コンパウンド この種類のコンパウンドは酸性タイプが多いです。
  4. 防錆剤 研磨中に工作物を腐食から防ぐ防錆剤を含んでいますが、作業を中断してそのまましばらく放置するときは、専用の防錆剤を塗布する必要があります。

研磨槽内に研磨石(メディア)、工作物(ワーク)、水、コンパウンドなどの添加物を加え研磨槽全体に回転、振動、遠心などの運動を与えて、工作物と研磨石の摩擦によって工作物を研磨する方法です。 大量の工作物を1回の処理で均一に仕上げることができ、工作物のバリ、スケールを除去、荒研磨、光沢研磨などの表面仕上げを行います。


バレル研磨法について

代表的な研磨法:(1)回転バレル研磨(2)振動バレル研磨(3)遠心バレル研磨

(1)回転バレル研磨

・メディア(研磨石)

・ワーク(工作物…アルミニュウム、ステンレス、鉄、亜鉛、銅、真鍮など)

・水…水量はバレル機によって異なりますが、普通はマス面と同位~ややマス面上

・コンパウンド(粗、脱脂、光沢仕上用など)・・・・水に対して1.0%~2.0%

研磨槽内に上記4点を投入し、研磨槽全体に回転運動を与えてメディア(研磨石)とワーク(工作物)の混合(マス)に流動性を生じさせ、互いの相対運動による摩擦でワーク(工作物)を研磨加工する方法です。

(2)振動バレル研磨

研磨槽に振動を与えることにより生じた工作物と研磨石の相対運動により研磨します。
一般的には、適当な化学薬品を用います。これらの薬品は光沢作用と同時に、長期にわたってバリ取り作用や研磨作用を害しないものでなければなりません。

【特徴】

・回転バレルに比べて3~5倍の研磨能力を持ち、大量生産向きです。

・粗仕上げから光沢仕上げまで幅広く利用できます。

・自動化しやすく、コスト削減、工程の省力化、人的作業の削減、生産性向上

(3)遠心バレル研磨

複数のバレルをターレット円盤の回転軸心の同心円上に等間隔で分離して取り付け、高速で旋回運動を行わせて遠心力を与え、その遠心力効果による強力な研磨効果を発揮します。

【特徴】

・回転バレルの数十倍の研磨能力を有する。

・広い用途に利用されており、なかでもカメラ、時計、電子電気部品など精密機械部品への利用が多い。

・回転バレルで要する時間の短縮化。

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